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大麻の有効活用でGX実現をサポート 麻産業創造開発機構の勉強会に200人

 2月10日、「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」が閣議決定され、今国会(211通常国会)で審議されている。
 これを受けて(一社)麻産業創造開発機構はきのう(16日)、衆議院第1議員会館で「産業用大麻(ヘンプ)活用に関する勉強会」を開催した。こちらも、近いうちに国会における審議が期待される大麻取締法の見直しを踏まえ、麻産業がGXサポートにいかに貢献できるか、その可能性を探るための勉強会だ。
 「産業や伝統文化等への麻の活用に関する勉強会」会長の森山裕衆議院議員、「神道政治連盟国会議員懇談会」事務局長の城内実衆議院議員を来賓に迎え、約200人の関係者が参集した。

 基調講演では、資源エネルギー庁戦略企画室長で内閣官房GX実行推進室の西田光宏企画官が、GX実現に向けた取り組みの背景とコンセプトについて説明した。
 現在、多くの国が脱炭素社会を目指してカーボンニュートラル宣言を行っている中、単なる脱炭素ではなく、政府支援による新たな投資が創り出す新たな産業こそが国力の成否を左右する時代に突入した。エネルギー自給率の低い日本にとって、その安定供給が必要だと、西田氏は強調する。化石燃料への過度な依存からの脱却を重要課題とし、脱炭素と経済成長を両立させるための仕組み作りについて説明した。

 続いて、(一社)麻産業創造開発機構理事長で皇學館大學の新田均理事長が登壇。75年ぶりの大麻取締法の改正に向けた動きの中、大麻由来の医薬品、神事、その他の産業用大麻(ヘンプ)の活用の可能性について期待を述べた。
 「GX(グリーントランスフォーメーション)と言いながら、“clean”や“CO2”だけで“Green”がほとんどない」と新田氏。伝統農業以外での、カーボンニュートラルを見据えた大麻の活用について紹介した。

 CO2の削減効果について、国際連合カンボジア暫定統治機構(UNTAC)によれば、大麻が最もCO2を吸収する作物とされている。欧州連合(EU)公式サイトでは、大麻1ha当たり9~15tのCO2を吸収するとされており、北海道の実証実験では42t~85tを吸収するという。日本の現在の荒廃農地は28万haだから、ここに麻を全部植えるとすると280万tの脱炭素になると同氏は言う。
 炭素に価格を付ける仕組みとされる、カーボンプライシングの導入スケジュールについても言及した。
 IEA(国際エネルギー機関)によると、2030年に1ドル130円で計算した場合、47億3,200万円、50年に91億円に達し、北海道の実証実験にはさらにこの4倍から8倍が見込まれているとする。

 炭素の排出量取引制度が今年度から施行され、26年度から本格稼働する。有償オプションについても段階的に導入される。炭素に対する賦課金についても28年度から導入されるのを見越せば、「国内での大麻栽培は考慮すべき重大な選択肢である」と語気強く語った。
 さらに、「地方について言うと、25年までに少なくとも100カ所の脱炭素先行地域を選定するといわれている。荒廃農地の多い地方においては、非常に有効な政策ではないかというふうに考える」と結んだ。

 この後、三重県や北海道におけるヘンプ活用の取り組み、具体的な事例が数多く紹介された。また、企業の取り組みに関するプレゼンも行われた。

【田代 宏】

(冒頭の写真:熱心に耳を傾ける聴講者)

YouTube「HBNチャンネル」より

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