消費者庁、エステ3社に措置命令 「今だけ」と期限限定装う不当なクーポン表示で有利誤認
消費者庁は25日、エステティックサロンを運営する事業者3社に対し、景品表示法違反(有利誤認)が認められたとして、同法第7条第1項の規定に基づき措置命令を行った。26日、発表した。対象となったのは、㈱シェイプアップハウス(大阪市北区、下村留弥以社長)、㈱ミス・パリ・ジェイピーエヌ(同)、㈱スリムビューティハウス(東京都港区、西坂才子社長)の3社。なお、シェイプアップハウスとミス・パリ・ジェイピーエヌはグループ会社。
消費者庁の調査によると、3社は美容予約サイト「HOT PEPPER Beauty」内のクーポンページにおいて、施術サービスの提供条件について不当な表示を行っていた。例えばシェイプアップハウス、ミス・パリ・ジェイピーエヌは、2024年12月1日~同月18日、19日~25年1月29日、30日~2月26日、27日~3月26日、27日~4月23日、24日~5月28日の期間、クーポンに「有効期限」を設定し、「通常価格 24,200円 → 5,500円」などと記載することで、あたかもその期限内に申し込んだ場合に限り、割引価格で施術が受けられるかのように表示していた。
スリムビューティーハウスは、24年12月1日~同月23日、24日~25日、26日~27日、28日~25年1月31日、同年2月1日~同月28日、同じくクーポンに「有効期限」を設定し、「通常価格 5,000円 →1,500円」などと記載することで、あたかもその期限内に申し込んだ場合に限り、割引価格で施術が受けられるかのように表示していた。しかし、いずれの表示も実際には、設定された期限が過ぎた後であっても、新たなクーポンによって同額の割引価格でサービスを受けることが可能だった。
再発防止と周知徹底を命令
同庁表示対策課の担当官は、このような「期限限定」を装った表示は、消費者の意思決定を不当に急かすものであり、実際よりも著しく有利であると誤認させる行為に該当するとして、今回の表示が景品表示法に違反するものであることを一般消費者へ周知徹底すること、再発防止策を講じて役員および従業員に周知すること、そして今後同様の表示を行わないことを3社に命じた。
シェイプアップハウスおよびミス・パリ・ジェイピーエヌでは、『スリム革命ダイエット』や『フェイススリム』などの施術メニューが対象となった。スリムビューティハウスでは、『骨盤&代謝巡りダイエットSpecial体験』をはじめとする複数のメニューで違反が認定された。
同庁によると、シェイプアップハウスとミス・パリ・ジェイピーエヌからは「今回の指摘を真摯に受け止め、再発防止の徹底に努める」との回答があり、スリムビューティーハウスからも同様に「真摯に受け止め、再発防止に努める」との回答があったとしている。
「確約手続き」ではなく「措置命令」に至った背景などを説明
同様の事例として同庁は、今月3日に公表した㈱ソシエ・ワールドが行っていたエステティックサロンが提供する施術に係る不当な期限限定表示に疑いに対する確約認定を挙げた。記者から、今回なぜ「確約手続き」ではなく「措置命令」になったのかとの質問があった。同担当官は、「確約手続きは、事業者の自主的な改善や消費者への返金などを踏まえて行われるものだが、本件についてはそのプロセス(通知や計画提出など)のいずれかの段階で合致しなかったため、措置命令に至った」との説明に留まり、詳細は差し控えるとした。
また、他社事例においても「HOT PEPPER Beauty」内のクーポンページにおける表示が対象となるケースが発生している。この「HOT PEPPER Beauty」を運営する媒体社側への何らかの要請は行わないのかという質問に対して同担当官は、「一般論として、調査過程で媒体側に接触することはあるが、本件について具体的なやり取りがあったかどうかは回答を差し控える」と回答した。
今回違反事例として公表されたクーポンには「クリスマス限定」の直後に「正月限定」と名称を変えていたケースも見られた。一見すると別のクーポンのように見えるが同庁担当官は、「内容や受ける施術、割引率が同じであれば、イベント名を変えて期限を設定していても、消費者を急かしているという点では同様の問題があると考えている」と述べた。
【藤田 勇一】

