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30周年のデルタインターナショナル 【創業・設立周年企業】「自創」をテーマにクリエイティブな商品を開発

 ナッツ・ドライフルーツの専門商社として昨年10月から31年目を迎えている㈱デルタインターナショナル。この先に向けた取り組みでは、人材育成への注力のほか、新たに策定したミッション「大地の恵みで人の『みらい』を創る」の浸透を掲げている。取材では代表取締役社長に就任して8年目の鳥海敬氏(=写真)に、現在の事業内容と「みらい」に向けた取り組みの詳細を聞いた。

会社の成長に寄与したサプライヤーの存在

 同社は1992年10月に東京・中目黒で設立。当時は電話機1台社員2人で創業し、その後に北品川に移転。輸入食品業界としては後発組であり、バブル崩壊後でもあったことから、逆風の中での活動開始と、さまざまな苦労も重ねながら今日まで成長してきた。
 「世界各国のサプライヤーとの取り引きがあったからこその30周年だと思っています。サプライヤーの1つを紹介すると、アーモンドでは米国カリフォルニア州を代表するキャンポス ブラザーズ社。まだお酒のおつまみ程度だった日本に、当時の社長と一緒に、日本にアーモンドの新たなマーケットをつくろうと始めたビジネスでした。キャンポスも当時はプレハブの建物でしたが、それが今や世界シェアでも指折りの企業に成長しています。私たちが日本の大手食品メーカーとの取り引きを始めることができたのも、そんなサプライヤーのおかげでもあります」
 さらに1品目1社で取り扱いを続けてきたことも特色と言えるだろう。目的を共有し、価格だけで選ばずに取り引きを続けることで信頼関係が生まれ、どんな時にでも同社を優先して供給してもらえる、「それが最大の強み。サプライヤーに大きな力を与えてもらいながら成長してきました」

食材では品質にこだわり、循環型を念頭にして輸入

 取り扱う食品はアーモンド、クルミ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツなどのナッツ類、そしてドライフルーツではプルーン、レーズン、イチジク、マンゴー、パイナップルなど実に幅広い。近年にはチュニジア産デーツ、アメリカ産ピスタチオ、南アフリカのマカダミアナッツの輸入も始めた。
 商品では16年から販売開始した『一週間分のロカボナッツ』が好評だ。「一般的な商品よりも値段は高いですがアーモンドの粒の大きさや、クルミ・アーモンド・ヘーゼルナッツを独自の黄金比率でミックスし、低糖質なロカボ食として支持を得ています」と鳥海氏。現在ではシリーズ商品としてマヌカハニーやチョコレートなどの商品群へと広がりをみせる。

(上の写真:『一週間分のロカボナッツ』(30g×7袋入り)/同社提供)。

 また、昨年には企業として初のナッツ飲料『ロカボナッツミルク 200ml』を発売。ヒット商品の『一週間分のロカボナッツ』をミルクにし、“飲むロカボナッツ”として話題を呼んだ。1日飲みきりサイズで、乳化剤や増粘剤は使用せず、ナッツ本来の味わいやコクを追求した商品だ。今後は、さらなる品質向上を目指した改良の検討をしていく構えだ。
 「酸化しやすいクルミの新鮮さを損なわないよう窒素を充填し、パックした商品を輸入するなど、品質にこだわりを持って販売しています。またクルミの殻は自動車のタイヤの成分に練り込むことでスリップ防止効果が高まるほか、研磨剤や化粧品にもその特性を生かした使用として殻の販売も行っています」

ステップ2のフェーズで大切なのは「人的資本経営」

 今年3月には海外サプライヤーをはじめとしたパートナー企業を招き、30周年の節目を共に祝い合う記念式典を都内ホテルにて開催した。鳥海氏はその謝辞の中で、今後目指していく会社の方向性や成長戦略についても語った。
 そこでは、会社設立からこの30年間を創造期と位置づけ、これから先は自ら自創する創作期のステップに入る。組織としては社員全員が「自創」を意識してクリエイティビティーを発揮できるよう、また社のミッションである「大地の恵みで人の『みらい』を創る」を実現するためのさまざまな方策についても説明したという。
 「コロナ禍も経て新たなステージ、創業からこれまでをステップ1とすると、ステップ2のフェーズに入ったと考えています。経営的には工場も農園も持たずに事業を行っている会社ですから、リソースはやはり人が一番で『人的資本経営』だと考えています。そのため人を育てる組織づくりも大切です。実践例としては30周年を前に社員全員で『われわれの経営理念を考えよう』というプロジェクトを立ち上げ、MVV(ミッション、ビビジョン、バリュー)をつくり上げました。それは、食の安全とおいしさを徹底的に追求し、信用と信頼を基に生産者と消費者双方へ貢献し、食を通じた健康づくりを提案した上で、『価値』を創造するというものです。
 理念の浸透にはしばらくかかるかと思いますが、さまざまな機会をとらえて、皆でこんな会社になっていきたい、皆でワクワクするような未来の世界を作っていこう、その成果を喜び合えるような会社にしようと話し合っています」
 これは30周年を前に策定した長期未来構想『デルタ ヘルシーサイクル』の最初のステップの実践でもある。

現場を体験することで創るべき未来が見える

 実は先述した低糖質のロカボナッツシリーズも、社員数人からの提案が商品化に結びついた自創の例だ。また、ミッションについては、同社のビジネスルーツが大地の恵みからきていることから、世界のサプライヤーの農場や工場スタッフと現場で直接触れ合い、水資源など環境保全の大切さを知ることで持続可能な未来をつくっていきたい、そんな強い意思も込められているのだと鳥海氏。
 「今後とも、消費者から見てナッツやドライフルーツと言えば当社だというブランディングを進めていきたいですね。ナッツ・ドライフルーツの専門商社として品揃えはもちろん、安心して食べてもらい、より健康になっていただけるように。そのためにも、社員たちに自創してもらいながら、クリエイティブな商品開発、仕組み作りに一層励んでいければと思っています」

【聞き手・文:堂上昌幸】

(下の写真:今年5月に発売した『からだマネジメントナッツ』/同)

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