サプリ通販会社に一部業務の停止命令 消費者庁、定期購入の解約条件巡る特商法違反を認定
定期購入が必要なサプリメントを、初回500円のみで購入できるかのような誇大広告や申込画面表示を行っていたなどとして、消費者庁は19日、特定商取引法違反(有利誤認表示など)で通信販売会社の㈱ピュレアス(東京都渋谷区)に3カ月の一部業務(広告、申込受付、契約締結)停止などを命じたと発表した。同社の坂本圭悟代表取締役に対しても同様に業務の禁止を命じた。命令はいずれも3月16日付。
「初回500円!」「定期縛りなし!」だけど契約解除で違約金
特商法違反で行政処分を受けた同社は20日までに、「消費者庁の公表に関するご報告とお詫び」を自社ウェブサイトに掲載。行政処分を「厳粛に受け止め、再発防止に向けて販売体制を全面的に見直し、信頼回復に全力を尽くして参る所存です」とし、処分を受け入れる姿勢を示した。
消費者庁によると、同社は少なくとも昨年7月16日から10月21日までの間、1袋9,980円(税込、通常価格)のサプリメント『ワンズアップ』について、自社サイトや外部のSNS広告で「今ならキャンペーン価格500円で買えちゃうんです!」「定期縛りなし!! 1回で解約OK!」などと表示し、初回を500円で購入後、追加料金なしで定期購入を解除できるように訴求していた。しかし実際には、2回目の商品を受け取らずに契約を解除する場合、違約金として通常価格との差額の9,480円を支払う必要があった。
また、申し込みの最終確認画面でも、500円を支払うことで1袋を購入でき、追加の金銭的負担なく契約を解除できるかのような表示を行っていた。契約を解除する場合は違約金の支払いが必要であることなどの販売条件を確認するには、最終確認画面から遷移される「定期コースについて」を確認する必要があった。かつ、遷移先で販売条件を確認するにはスクロールしなければならず、「非常に分かりにくい」(同庁取引対策課)表示になっていたという。さらに、2回目以降は送料500円を負担する必要があったが、最終確認画面でその旨を表示していなかった。
こうした事実を踏まえ、同庁は、同社に対して特商法が禁じる誇大広告をはじめ、いわゆる最終確認画面の誤認表示および表示義務違反を認定したという。

約5年間で相談件数延べ7千件超
同庁によると、2020年12月設立された同社を巡っては、全国の消費生活相談センターに「初回のみだと思っていたら定期購入だった」「追加料金を支払わないと解約できない」などといった相談が寄せられていた。その数、21年4月から今年2月末までの約5年間で累計7,453件に上るという。
同庁は、消費者に対し、インターネット通販で商品を購入する際は、申し込む前に最終確認画面に表示された契約条件を十分確認するとともに、画面をスクリーンショットで保存するよう呼び掛けている。特商法では、返品や解約の条件や方法などを最終確認画面に表示することを事業者に義務付けており、義務表示事項を表示せずに消費者に誤認を与えた場合、消費者は契約を取り消せる場合がある。その際、スクリーンショットが証拠になるという。
なお、同庁は現在、デジタル取引や特商法分野の課題を議論する「デジタル取引・特定商取引法等検討会」(座長=大屋雄裕・慶應義塾大学法学部法律学科教授)を進めている。ダークパターンへの対応やSNS・チャットを通じた勧誘への規制のあり方などが主要論点。今年夏頃の中間取りまとめを目指している。
【石川太郎】
(冒頭の写真:ピュレアスがサプリメントについて行っていた広告の一部。消費者庁の資料から)

