学術会議サプリ提言の受け止めは? 消費者庁長官、具体的コメント避けるも「意見幅広く参考に検討進めたい」
日本学術会議が先月末公表したサプリメントを巡る提言(3日付既報)について、消費者庁の堀井奈津子長官(=写真)は5日、「拝見している」と述べた。定例会見で記者の質問に答えたもので、提言の中身に対する受け止めについては、サプリメントの規制の在り方に関する検討が厚生労働省と消費者庁の両審議会で現在進められていることを理由に、「提言の内容について私から具体的なコメントをすることは控えたい」と述べた。ただ、「(サプリメントを巡っては)さまざまなご意見がある。国民の関心が高いテーマだとも思う。幅広くいろいろな方々のご意見を参考にしながら検討を進めていきたい」と述べ、同提言を規制の在り方検討の議論の参考とする可能性を排除しなかった。
内外からサプリメントの「独立」求める声
日本学術会議の提言は、サプリメントを巡る課題解決に向けてまとめられたもの。提言の柱は4つで、その筆頭には「サプリメント法の制定」が掲げられている。すべてのサプリメントを食品でも医薬品でもない立ち位置に法的に置き、一律に規制するとの提案だ。その上で、機能性表示食品など保健機能食品の制度見直しや安全性に関する審査の導入なども提言している。堀井長官は5日の会見で記者から、現在進行中の規制の在り方検討の枠組みで「法制化を検討する可能性はあるか」とも問われた。だが、「可能性について私の立場で言及することは控えたい」と述べるにとどめた。
昨年10月から厚労省と消費者庁が連携して進めているサプリメントの規制の在り方検討で、サプリメントの定義などを議論する同庁の食品衛生基準審議会新開発食品調査部会は、これまでに2回の会合を開き、事業者団体および消費者団体の計10団体へのヒアリングを実施。先月5日開催の2回目の会合では、事業者団体(日本通信販売協会)がサプリメント法の制定を求めたほか、消費者団体(主婦連合会)からも、サプリメントを「医薬品でも一般食品でもない個別のカテゴリ」に位置付けるよう求める意見が上がった。昨年11月の初回会合では、別の業界関係団体が「サプリメント固有の包括的な法制度が必要」(日本健康食品規格協会)だと意見している。
サプリメント法を巡っては、同部会の委員を務める有識者からも「非常に必要だと考えている」(先月5日の会合で石見佳子・東京農業大学総合研究所参与/客員教授)と賛同する声も上がっている。他方で、「現実問題として我が国は『食薬区分』が非常に厳密な中で、医薬品でも食品でもないところにサプリメントの区分を新たに作ることは現実的には難しい」(同じく先月5日の会合で部会長の曽根博仁・新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)と実行可能性の観点から否定的な意見も出ている。
【石川太郎】
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