新企画「あの時、何が起きていたのか。」 第1弾「紅麹サプリ・検証シリーズ」スタート
ウェルネスデイリーニュースの記者が、それぞれの取材に基づき「あの時、何が起きていたのか。」をテーマに解説する新たなYouTube企画が始まった。その第1弾が「紅麹サプリ・検証シリーズ」だ。
紅麹サプリメントによる健康被害が公表されてから、まもなく2年が経とうとしている。この間、行政は何を説明し、どのような表現を用い、どの段階でどのような判断を行ったのか。本シリーズは、当時の公表資料、会見内容、取材記録を基に、時系列に沿って冷静に整理することを目的とする。
第1回のテーマは「厚労省は“断定”したのか」である。焦点は、プベルル酸(PA)を健康被害の原因と厚生労働省が「断定」したのかどうかという一点にある。
番組では、2024年3月下旬に未知の物質が検出されたとの公表があり、その後PAが同定されたと説明された経緯を確認する。
さらに、5月公表資料やその後の取材で示された説明を踏まえ、「主要な物質であるという結論に至った」という表現が用いられている点を検証する。
ここで整理されるのは、「断定」という言葉の重みである。刑事的な意味での確定判断と、公衆衛生上のリスクに基づく行政判断は同一ではない。行政は予防原則の下、合理的に最も疑わしい物質を特定し、措置を講じることがある。そのことを「断定」と表現するか否かで、議論の前提は大きく変わる。
また、判断主体や決裁文書の有無といった制度的透明性の論点にも触れる。ただし、単一の「断定文書」の存在のみで全体を評価するのではなく、会議体の議事録、研究報告、公表資料など複数の記録を総合的に見る必要があるとする。
紅麹サプリ問題は、科学の問題であると同時に、制度の問題、そして言葉の問題でもある。強い言葉が独り歩きする前に、当時実際に使われた表現と判断の過程を確認することが重要だ。本シリーズは、その出発点を提示するものである。
【編集部】

