コロナワクチン副反応報告を公表 報告頻度算出不能も安全性評価は維持
厚生労働省はこのほど、今年2月4日に開催した「第110回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」および「令和7年度第11回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」(合同開催)の議事録を公開した。集計期間は2025年7月1日~9月30日までに報告されたもの。会議はペーパーレスで行われた。
コミナティ筋注シリンジ12歳以上用について、同期間の製造販売業者からの報告は7例で、接種日が期間内の症例は1例だった。医療機関からは9例が報告され、うち重篤例は8例。接種可能延べ人数については、返品数が多く、納入数から返品数を差し引いた数量がほぼゼロかマイナスとなるため、適切に算出できないという。報告頻度も算出できないとし、参考として2024年4月1日~25年9月30日までの累計を示した。
脳梗塞発症例、γ評価
同期間の死亡事例として、コミナティ(12歳以上用)では医療機関から1例の報告があった。事務局は、89歳女性が接種後15時間後に脳梗塞を発症した症例であると説明し、接種が累計7回目であること、死亡後の剖検実施の有無が不明であることなどを踏まえ、専門家意見と因果関係評価は「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できない」γ評価だとした。
一方、コミナティ(6か月~4歳用、5歳~11歳用)、スパイクバックス、ダイチロナについては、集計対象期間の副反応疑い報告はなかったとした。
死亡例、β評価とγ評価、累計5例に
コスタイベ筋注用について、集計対象期間の製造販売業者報告は2例で、いずれも接種日は期間内ではなかったと説明した。また、過去の合同部会で転帰不明として報告された2症例について転帰が死亡と判明したため、累計の死亡報告は5例となった。事務局は、2症例の因果関係評価として、89歳男性は「ワクチンと死亡との因果関係が認められない」β評価、94歳男性はγ評価であると示した。
ヌバキソビッド筋注については、製造販売業者から2例の報告があったが接種日は期間内ではなく、医療機関からの報告はなかった。死亡事例としての報告もなかったとした。心筋炎・心膜炎疑いについては、コミナティを含め集計対象期間の報告事例はなかったと説明した。
分母算出できず報告頻度示せず
事務局は、新型コロナワクチンの副反応疑い報告状況のまとめを提示した。25年7月1日~9月30日までの3カ月間に報告された件数を整理したが、いずれの製剤も分母となる接種可能延べ人数が算出できないため、報告頻度も算出不能だと説明した。
参考として示した24年4月1日~25年9月30日までの累計では、Meiji Seika ファルマ社の製剤の報告頻度が他社と比較して1桁高いとした。その背景として、同社製剤が24年10月に販売開始され定期接種に用いられるようになったこと、集計対象期間と市販直後調査期間が重なっていることを挙げ、市販直後調査では製造販売業者が集中的に医療機関を回って副反応情報を収集するため、その後の期間より報告頻度が高くなる傾向があると説明した。
死亡例の累計が5例となっている点については、新規報告ではなく、前回10月部会で報告した転帰不明症例の転帰が死亡と判明したもので、因果関係評価はβ評価が1例、γ評価が1例だったとした。
事務局は、次回以降、2025~2026シーズンの定期接種の報告データが出てくるため、同社製剤の副反応疑い報告を引き続き注視すると述べた。
委員質問「症状の偏り」に事務局は否定
質疑では齋藤委員が、Meiji Seika ファルマ社製剤の報告頻度が高い点について、報告された症状内容に目立った傾向があるのかと質問した。事務局は、特段の偏りはないと承知していると回答した。
森尾座長は、24年4月1日~25年9月30日までの判断材料を踏まえた上で、集計対象期間の副反応疑い報告の傾向として、現時点で重大な懸念は認められない旨を確認した。
さらに、ファイザー、モデルナ・ジャパン、武田薬品工業、第一三共、Meiji Seika ファルマのワクチン接種について、これまで継続的に注視して議論してきた内容も踏まえると、安全性に関する重大な懸念は認められないとまとめた。新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかの意見も求めたが、特段の異論は示されなかったという。
【田代 宏】
発表資料はこちら(厚労省HPより)

