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メルシャン、ワイン62万本回収 未承認添加物使用、キリン傘下で波紋

 キリンホールディングス㈱(東京都中野区、南方健志社長)傘下のメルシャン㈱(東京都中野区、大塚正光社長)は17日、ワイン3商品に日本で使用が認められていない食品添加物「クエン酸銅」が加工工程で使用されていたとして自主回収を発表した。健康被害の報告はないとしているが、最大約62万本が対象となる。大企業グループにおける品質管理の在り方も問われる事案となった。親会社であるキリンホールディングスのホームページで公表されている。

 対象となるのは、「フロンテラ スパークリング ロゼ 缶(280ml)」、「フロンテラ アイス ロゼローズ 缶(280ml)」、「フロンテラ ロゼ 瓶(750ml)」の3商品。いずれも全国で販売されている。

未承認添加物「クエン酸銅」を使用

 発表によれば、日本国内で使用が認められていない食品添加物「クエン酸銅」が加工助剤として使用されていたことが判明した。加工助剤とは、加工工程で使用し、最終食品への影響が実質的にないものを指すとしている。

 同社は、当該食品添加物について、国際ブドウ・ワイン機構(OIV)加盟国の一部では食品への使用が認められていると説明している。本件による健康への影響は極めて低いものと考えており、現時点で本件に起因する健康被害の報告はないとしている。

 対象商品は、ロット番号にかかわらず、該当する商品の全て。累計出荷数量は、「フロンテラ スパークリング ロゼ 缶」が約1万8,000ケース(約43万本、2024年5月発売以降)、「フロンテラ アイス ロゼローズ 缶」が約2,900ケース(約6万9千本、2025年1月発売以降)、「フロンテラ ロゼ 瓶」が約2万1,000ケース(約12万6千本、2024年以降)で、3商品合計では約62万本に上る。

 回収方法については、専用の登録フォームで24時間受け付ける。登録後、同社指定の宅配会社が対象商品を回収に訪問し、送料は同社が負担する。後日、代替の対応を行うとしている。電話での問い合わせにも応じており、受付時間は午前9時~午後5時まで(土日祝日を除く)。2月17日のみ11時からの受付となる。
 メルシャンは「お客様およびお取引先様には多大なるご心配とご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げる」とし、「再発防止に向け、一層の品質管理体制の強化に努める」としている。

問われるグループの品質ガバナンス

 メルシャンは2007年にキリンホールディングスの事業会社となり、以来18年にわたりグループの一員として事業を展開してきた。今回の問題がメルシャン単体の品質管理の課題なのか、それとも100%子会社を擁するキリンホールディングスのグループ管理体制の在り方にも関わるのかという点も、今後の注目点である。
 本事案は、大企業グループにおける品質管理のガバナンス構造という普遍的な課題を提起している。事業会社が日常的な品質管理の実務を担い、持株会社がリスク管理を監督するという二層構造の下で、いかに実効性のある品質保証体制を構築するかは、食品・飲料業界全体に共通するテーマである。特に輸入食品では、サプライヤー所在国の規制と国内規制が異なる場合が多く、その差異を的確に把握・管理するためには高度な専門性と体系的なチェック体制が不可欠となる。

 ウェルネスデイリーニュース編集部では、自主回収に至る判断の経緯や使用添加物の取り扱い、健康影響の有無、行政対応の時期、品質保証書類の確認体制など、事実関係の詳細についてキリンホールディングス広報部に取材した。

 メルシャンが自主回収を発表したワインについて、使用されていた添加物は日本で使用が認められていない「クエン酸銅」。同添加物は海外の製造工程において、樽詰め前の段階で臭い成分の除去を目的に添加されていた。その後、樽詰め・発酵を経て、樽から出した後の濾過工程で除去されており、最終製品中には残留していないという。

 もっとも、日本では添加自体が認められていない食品添加物であるため、残留の有無にかかわらず法令上問題となるため、自主回収を義務として実施したとしている。

 健康影響については、現時点で健康被害の報告は確認されていない。クエン酸銅はチリなど他国では食品への使用が認められており、健康への影響は極めて低いと考えているという。健康被害が確認されていない根拠については、お客様相談窓口で問い合わせを把握しているが、健康被害の連絡は現時点でないと説明している。

品質保証書確認で判明、行政へ報告

 同事案は、2025年収穫分(新ヴィンテージ)への切り替えに伴い、サプライヤーから取り寄せた品質保証書類を確認した際に、クエン酸銅の記載を発見したことから判明した。さかのぼって確認した結果、2023年度および24年度ヴィンテージにも同様に使用されていたことが分かり、24年以降に販売した商品を回収対象とした。行政への報告は、2025年2月16日、本社所轄の中野保健所および製造工場所在地の藤沢保健所に行っている。

 使用を把握できなかった理由については、品質保証書類の確認が不十分だったことが要因。品質保証書はサプライヤーから提出され、メルシャンが受理段階で確認する体制だった。

 回収対象本数は、賞味期限のない商品であることから、発売開始以降の累計出荷本数で最大約62万本としている。現在の市場流通量は約4万本と推計しており、その根拠は出荷データや取扱企業の店舗数などに基づくという。
 本事案の周知は、自社営業担当者による小売店への連絡、卸業者経由での通知、EC担当者への連絡、メディアへのリリース配信により行っている。

 再発防止策として、品質保証書類のチェック体制を強化するほか、取引サプライヤーに対して日本の法規制への理解と遵守を徹底するとしている。他の輸入商品については影響がないことを確認済みという。

広報部との一問一答は以下のとおり(⇒続きは会員専用記事閲覧ページへ)

【田代 宏】

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