商品表示義務の一部見直しに答申 東京都、冷凍食品配合率とカット野菜指定を整理
東京都は、東京都消費生活条例に基づく商品表示事項等の見直しについて、東京都消費生活対策審議会から答申を受けたと14日公表した。答申は、調理冷凍食品における原材料配合割合表示の削除や、カット野菜・カットフルーツの指定解除について。同審議会は、いずれも妥当と結論付けた。今回の見直しは、国の食品表示制度の改正や国際的な動向を踏まえ、都独自の表示義務の合理化を図るものと位置付けている。
都条例に基づく表示義務見直しを諮問
都が行った諮問の内容は、「調理冷凍食品」について、商品名に原材料の一部の名称が付された場合に義務付けてきた原材料配合割合表示を削除すること、および「カット野菜及びカットフルーツ(包装されたものに限る。)」について、指定商品から解除することなど。これらはいずれも、東京都消費生活条例第16条第1項に基づく品質表示義務の見直しに関するものである
答申は、指定商品のうち「調理冷凍食品」に係る原材料配合割合表示の削除および、「カット野菜及びカットフルーツ(包装されたもの)」の指定解除はいずれも妥当であると結論付けた。
調理冷凍食品、配合割合表示の役割低下
調理冷凍食品の原材料配合割合表示は、1977年7月に制度化された。当時、調理冷凍食品の普及が急速に進む中、原材料の一部の名称を商品名に付した商品について、消費者が実際の配合内容を誤認するおそれがあることから、誤認防止を目的として定められたものである。
しかし近年では、消費者の価値観が多様化し、原材料配合割合の表示が必ずしも商品の優劣や選択判断の決定的な材料とはならなくなっている。加えて、国の食品表示制度においては、食品表示基準の改正により、10品目の調理冷凍食品について、東京都の制度と類似した原材料配合割合表示のルールがすでに廃止されている。このような状況を踏まえて東京都は、独自に同表示義務を維持する合理性は低下していると判断した。
期限表示普及で指定継続の必要性薄れる
一方、カット野菜及びカットフルーツの加工年月日表示は、1992年10月に定められた。当時は、調理の省力化など食生活の変化を背景に、これらの商品が急速に普及しており、消費者が購入時における選択の目安とすることを目的として、加工年月日の表示が義務付けられた。
しかし現在では、カット野菜及びカットフルーツにおいて消費期限等の期限表示が広く普及している。消費者は、購入時の判断材料として期限表示を活用できる環境が整っており、加工年月日表示を独自に義務付け続ける必要性は薄れているとした。
国制度・国際基準との整合を重視
さらに、国の食品表示制度を巡っては、1993年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、食品表示基準の国際基準への整合化を推進する方針が示された。国際的な動向を踏まえ、合理的でシンプルかつ分かりやすい食品表示制度を検討する方向性が明確にされたことも、今回の判断の背景にある。
これらを総合的に勘案し、答申では、調理冷凍食品については原材料配合割合表示に関する事項を削除すること、カット野菜及びカットフルーツについては指定商品から解除することはいずれも妥当であると結論付けた。
なお、答申では、表示義務の見直しを行う一方で、消費者が商品選択に際して多様な情報を適切に入手できるよう、事業者や事業者団体がホームページ等を通じた情報提供に取り組むことへの期待も示している。
今回の改正は、食品の安全性や消費者保護を後退させるものではなく、国の制度や国際的な動向を踏まえ、東京都独自の表示義務の役割を整理し、合理化を図るものと位置付けられている。
【田代 宏】
東京都の発表資料はこちら(東京くらしWEBより)











