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農業技術10大ニュースを選定 農研機構や大学、企業の研究成果から10課題

 農林水産省は、今年1年間に公表された農林水産分野の研究成果の中から、特に優れた10課題を「2025年農業技術10大ニュース」として発表した。同ニュースは、農業関係専門紙・誌など30社で構成する農業技術クラブ加盟会員の投票によって選ばれた。

 同制度は、民間企業、大学、公立試験研究機関、国立研究開発法人が公表した研究成果のうち、新聞記事として取り上げられたものを対象に、内容の優秀さと社会的関心の高さを基準として毎年実施されている。

雑草防除、鳥獣害対策など現場課題に直結する技術

 選定された10課題のうち、TOPIC1には、農研機構などが開発した水田の難防除雑草ナガエツルノゲイトウの防除技術が選ばれた。複数の農薬を組み合わせた体系処理を2年間継続することで、地下部まで駆除でき、分布拡大防止が期待される。

 TOPIC2では、NTT e-Drone Technologyなどによるレーザー搭載ドローンを活用した鳥獣害対策技術が選定された。自動航行とレーザー照射により、農地や畜産施設での鳥獣忌避を省力的に行うことが可能となる。

 また、TOPIC3には、日本初となる有人監視型自動運転草刈機が選ばれた。フェンス設置が不要で、オープンな環境でも安全に自動運転が可能とされ、省力化と安全性の両立を実現する技術として評価された。

温暖化対応や食料安全保障に資する研究成果も

 TOPIC4では、農研機構が開発した果樹の栽培適地予測マップが選定された。温室効果ガス排出量の異なる複数のシナリオに基づき、今世紀半ばおよび末の果樹適地を1kmメッシュで示すもので、長期的な栽培計画への活用が期待されている。

 TOPIC5には、東京大学による赤色レーザーダイオードを用いた植物成長促進技術が選ばれた。従来のLEDを上回る光合成促進効果が確認され、植物工場や閉鎖空間での応用が期待される。

 このほか、皮ごと食べられる赤色ぶどう新品種「サニーハート」(TOPIC6)、AIを活用したももの樹の水分状態診断技術(TOPIC7)、海水から肥料原料カリウムを回収する技術(TOPIC8)なども選定された。

DXや温室効果ガス削減技術も評価

 TOPIC9では、サタケが開発した生産支援システム「KOMECT(コメクト)」が選ばれた。ライスセンターや精米工場でDXを活用し、反収や品質を見える化することで、営農の効率化と収益改善に貢献する技術である。

 TOPIC10には、ダイズと根粒菌の共生を活用し、農地から排出される温室効果ガスN₂Oを74%削減した技術が選定された。地球温暖化対策と持続可能な農業生産への貢献が期待されている。

【編集部】

農林水産省の発表資料はこちら

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