500mgのラクチュロース摂取効果を確認 森永乳業、「大腸内のビフィズス菌を増やす」
森永乳業㈱(東京都港区、大貫陽一社長)はこのほど、500mgのラクチュロース摂取が大腸内のビフィズス菌を増やすことを確認したと発表した。研究結果は、Functional Foods in Health and Disease誌に12月8日に掲載された。
同社は長年にわたり、ヒトの大腸にすみ、さまざまな健康効果をもたらしているビフィズス菌や、そのビフィズス菌を増やすオリゴ糖の一種「ラクチュロース」の研究を行っている。今回、健康な成人男女78人を対象に、ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験を実施。期間は2月~4月で、摂取期間は4週間。対象者をランダムに2群に分け、プラセボまたはラクチュロース(500 mg/日)を含む食品のいずれかを4週間毎日摂取。2週間の休止期間を挟んだ後、もう一方の食品を4週間毎日摂取してもらった。
その結果、ラクチュロース摂取後では、腸内細菌叢に占めるビフィズス菌の割合がプラセボ摂取後と比較して有意に増加。また、一般的に、プレバイオティクス摂取で生じやすいとされる、おなかが緩くなるなどの症状はみられなかった。この他、ラクチュロースに関連する有害事象は認められず、安全性が確認されたという。
今回、500 mgのラクチュロースの摂取でもビフィズス菌を増やす効果を確認し、腸内環境の改善に役立つ可能性が示された。一方、従来の高用量は、お通じの改善効果がより得られやすいと同社は考えている。自分の悩みや体質にあわせて、腸内環境を整えたい人は低用量から、お通じにお悩みの人は量を増やすなど、多様なラクチュロース用量から選択できるようになり、継続しやすい健康サポートの実現が期待されるとしている。
同社は、乳児のおなかの中のビフィズス菌を増やすことを目的として、1960年にラクチュロースを配合した育児用ミルク『森永Gドライミルク』を発売した。それ以来、60年以上にわたりラクチュロースの研究開発を継続し、さまざまな製品への応用を進めてきた。現在では、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品などにも幅広く展開している。
今後も、ラクチュロースのさらなる価値を追求し、腸の健康やビフィズス菌の認知拡大を通じて、人々の健康に貢献する製品の開発に努めるとしている。











