健康食品に関する一般消費者の意識や利用状況などの把握を目的に、消費者庁が1万人規模のインターネット調査を実施、先ごろ調査結果報告書を公表した。同庁が健康食品に的を絞った消費者アンケート調査を行うのは今回が初となる。リスクコミュニケーションに役立たせることを目的に行ったという。

　調査は民間の調査会社に委託して実施した。調査結果報告書は、先月27日に開催された同庁の食品衛生基準審議会（新開発食品調査部会）に参考資料として提出された。審議会は今後、サプリメントの定義などを検討・審議することになっている。

　報告書によると、調査は今年3月に実施。調査目的の健康食品には法律上の定義がないため、「サプリメントを含め健康に良いとして販売されている食品」と便宜的に定義。その上で、健康食品の利用目的、それに対する期待や不安、購入時に重視するポイントなどを一般消費者に尋ねた。調査対象は国内在住の健康食品利者（男女20～79歳）で、回収標本数は全ての問いに回答した1万人。

　健康食品だと思う食品を選択形式で尋ねる設問（複数回答）では、「サプリメント・ビタミン剤」がトップで67％だった。次いで、「バランス栄養食」（51％）、「健康茶（ドクダミ茶、甜茶、杜仲茶等）」（50％）などと続いた。「ダイエット食品」は28％、「プロテイン」は22％だった。

　続いて、健康食品の利用頻度を尋ねる設問では、「ほとんど毎日利用している」が31％と3割を超えた。「たまに利用している」は41％、「以前は利用していたが、今は利用していない」は28％だった。健康食品利用者を調査対象にしたため、「利用したことがない」は0％。

利用目的、最多「健康増進」　1割超が「病状の改善」

　健康食品の利用目的も尋ねた（複数回答）。その結果、「健康の増進」（45％）と「体調の維持や病気の予防」（43％）が4割を超えた。次いで、「特定の栄養素の補給」（37％）、「疲労回復」（32％）、「美容」（16％）、「ダイエット」（16％）、「老化予防」（16％）などと続いた。

　利用目的では、11％が「病状の改善」、7％が「健康診断で受けた指摘の改善」とそれぞれ回答した。

　また、「あなたはこれまでに医師の治療を受けたり、薬を飲んだりする代わりに、『健康食品』で不健康な状態を改善しようとしたことはありますか」という設問（単一回答）では、28％が「ある」と回答し、そう回答した2,818人に「その状態を改善するために利用していた」健康食品を尋ねた（複数回答）。その結果、トップは「コレステロールが気になる方に適したもの」（29％）だった。

　次いで、「ダイエットが必要な方に適したもの」（26％）、「血圧が高めの方に適したもの」（22％）、「貧血が気になる方に適したもの」（20％）、「カルシウム不足の方に適したもの」（19％）、「血糖値が気になる方に適したもの」（16％）、「関節の痛みが気になる方に適したもの」（14％）、「花粉症の方に適したもの」（14％）などと続いた。

　この調査では、不健康な状態を改善するために利用していた健康食品の「形状」も尋ねている。選択項目は、「サプリメント（錠剤・カプセル剤・粉状のもの）」と「それ以外」の2つにざっくり分類。状態に限らず、サプリメントと回答した人の割合が多かった。

【石川太郎】

（冒頭の画像：調査報告書から抜粋。健康食品のイメージを尋ねた設問結果。複数回答で3割超が「行き過ぎた広告・宣伝が目立つ」と回答。「病状の改善に効果がある」も1割超に）

関連資料
：いわゆる「健康食品」に関する消費者アンケート調査報告（消費者庁ウェブサイトへ）

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