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八幡愛議員、副反応情報の公表を追及 動画説明の整合性や死亡報告の扱いを質す

 れいわ新選組の八幡愛衆議院議員(=写真)は19日の厚生労働委員会で、新型コロナワクチンの副反応情報の公表状況や、厚労省の広報動画における説明姿勢の整合性を質した。死亡報告件数や因果関係評価の現状を追及し、評価不能事例が多いにもかかわらず「重大な懸念はない」とする政府の認識に疑問を呈した上で、全体像を把握できるかたちでのデータ開示と原因究明を求めた。

副反応報告と死亡件数の扱いを再確認

 厚労省の発表では、2021年8月~25年7月までの接種回数が延べ4億回を超えていることを指摘した。多くの命を守ってきた一方で、接種後に副反応に苦しむ人の声が届いているとし、れいわ新選組として国会で取り上げてきた経緯を説明した。

 23年3月の参議院予算委員会では、山本太郎代表の質問に対し、副反応疑い報告制度と予防接種法の被害者救済制度に基づく給付件数が報告された。今年4月の厚労委員会では、高井たかし議員の質問を通じて、新型コロナワクチン接種後の死亡事例の報告件数が2,262件、うち報告医が接種との関連ありとしたものが59件と示されたと説明した。

 また、100万接種当たりの死亡報告件数について、新型コロナワクチンが5.2件、インフルエンザワクチンが0.142件であり、「36倍以上」多いとされた答弁があったことを改めて示した。一方で、厚労省は因果関係が認定されたものは2件にとどまり、ほとんどは情報不足で評価不能だとして「重大な懸念はない」としていると述べ、この認識が現在も変わらないかを問いただした。

 感染症対策部長は、副反応疑い報告制度や被害救済制度に基づき対応しているとしたが、八幡氏が挙げた数字の1つ1つを「今確認しているものではない」と述べるにとどまった。
 八幡氏は「評価不能なのに影響がないと言い切れるのは不思議」と述べ、全体像が分かるかたちで数値を公表することを求めた。現状ではウェブ上に細切れの数字はあるものの、「全体を俯瞰できるデータが見つかりにくい」と問題視した。

動画説明と感染予防効果の整合性を追及

 さらに、厚労省が先月31日にYouTubeで公開した「2025年度新型コロナワクチン定期接種の対象となる方へ」という動画に言及した。動画では「正しい情報を知り、ご自身やご家族を守ることが大切です」と説明し、最後には、「新型コロナワクチンはご自身の健康を守るだけでなく、大切なご家族や周りの方を守ることにもつながります」と結んでいる。このような表現は、感染予防効果があるように受け取れると指摘した。「ワクチンに感染予防効果があるのか、それともないのか」――改めて質問した。

 感染症対策部長は、審議会で有効性・安全性を科学的知見に基づき評価しているとした上で、「有効性については、発症予防効果や感染予防効果は認められるが持続期間に限界がある」と説明した。重症化予防効果は比較的長時間持続することから、現行の定期接種では重症化予防を主な目的としていると述べた。また、承認時には発症予防効果を根拠に承認され、その後の研究で感染予防や重症化予防効果が確認されてきた経緯にも触れた。

 八幡氏は、21年当時、(職域接種などを通じて)接種証明が求められる場面もあり、多くの人が感染予防効果を期待して接種したと指摘した。その上で、厚労省動画の説明は現在の認識と整合していないのではないかと疑問を呈し、感染予防効果が弱いのであれば、動画でその点を明確に示すべきだと求めた。

副反応の原因究明とデータ開示を強く要求

 また、ワクチンを打つか打たないかについて「どちらも強制されてはならない」と述べ、判断に必要な情報の提供を求めた。職域接種などで接種を余儀なくされた医療従事者の中に、副反応と見られる症状で苦しみ、働けなくなった人もいると訴え、副反応の原因究明とデータの公表を強く求めた。
 「厚生労働省は、評価不能のまま何年も塩漬けにするのではなくて、きちんとデータを出しながら検証すべき。ワクチン接種を推奨するのであれば、最低限、副反応の原因究明を今すぐ行うべき。そうでないと国民はリスクの判断ができない」と強い口調で述べた。

 上野厚労大臣(=下の写真)は、新型コロナワクチン接種後に長期間継続する症状について、22年度から25年度に研究班で調査を実施していると説明した。その報告では特定の症状や疾患が集中して見られることはなく、多くが軽快・回復しているとされていると述べた。ただし症状は多様で、疾患概念の確立が難しいことから、令和7年度も調査研究事業を継続し、実態把握を進める方針を示した。副反応疑い報告についても科学的知見に基づく判定に努めると述べた。

 八幡氏は、政府の推奨を信じ家族や職場のために接種し、副反応に苦しむ人の声に耳を傾けるよう求め、「4億回のうち何千件だからと軽く考えるのではなく、自分や家族、友人がその1人だったらと想像して進めるべきだ」と訴えて質疑を締めくくった。

【田代 宏】

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