機能性素材「2032年」市場規模は? 富士経済、24年比16%増の2,197億円と予測
サプリメントなどに使用される機能性成分・素材50品目について、「2032年」の国内市場規模が2024年比で約16%増の2,197億円に達するとの予測を、民間調査会社の㈱富士経済(東京都中央区)が取りまとめ、発表した。そのうちビフィズス菌の市場規模については、同48%増の74億円と予測。「機能性の再認識や新知見、用途拡大が進展」することによる配合商品の増加が期待できると見ている。
この調査は、DHA・EPA、コラーゲン、コエンザイムQ10、エルゴチオネインなどといった機能性成分・素材50品目の国内市場規模を、今年7月~9月にかけて調べたもの。同社は調査結果を、『機能性成分・素材市場の現状と将来展望2025』にまとめて発刊している。
同社は10月31日付の発表で、同市場の全体的な概況について、物価上昇や関税問題など「外部環境の影響もあり市場環境は厳しい」と指摘しつつ、「消費者の健康ニーズの高まりから、緩やかに拡大している」と分析。25年の同市場規模に関しては、1,932億円を見込んだ。
発表では、「注目市場」としてビフィズス菌のほかに、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)と大豆イソフラボンを挙げた。機能性表示食品の機能性関与成分としても利用されているNMNについては、25年の市場規模を前年比約9%増の36億円と見込むとともに、32年は24年比約33%増の44億円と予測。一方、女性の健康分野で定番機能性成分の大豆イソフラボンの32年市場規模に関しては、24年比約15%増の15億円と予測した。
同社は大豆イソフラボンについて、「女性における成分の認知度は非常に高い」と分析。そのため、特に「フェムケア」の領域では、「ヘルスクレームが限られる機能性表示食品としてではなく、単に〝大豆イソフラボン配合〟という表記で展開する商品も今後増えていく」と見立てている。
消費者認知度は? 70%越えが3素材
同社の今回の発表では、消費者1万人を対象にした、機能性成分・素材100品目の認知度調査結果も伝えた。今年7月に実施したインターネット調査をまとめたもので、認知度トップは「乳酸菌」で75.5%。次いで、「コラーゲン」が72.6%、「ビフィズス菌」72.4%、「ヒアルロン酸」67.3%、「高麗人参」67.2%──などと続いたという。100品目の認知度平均値は30.5%だったという。
【石川太郎】
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