初の関与成分、カネカグループが届出 【機能性表示食品届出DB更新】レモンマートル由来成分を筋肉ケアで
消費者庁は21日、機能性表示食品の届出データベース情報を更新し、新たに15件の新規届出情報を公開した。更新は2日連続で、2回の更新で合わせて27件の新規届出を積み上げることになった。そのように公開件数の増加傾向が認められる中で、今回の更新では新規機能性関与成分の届出も公開。レモンマートル由来カスアリニンが初登場した。
レモンマートル由来カスアリニンを届け出たのは、還元型コエンザイムQ10 などの機能性素材を販売するカネカのグループ会社であるカネカユアヘルスケア㈱(東京都港区)。届け出た機能性表示は、「軽い運動と併用することで、加齢に伴い低下する中高年の筋肉量を維持する機能が報告されています」。
作用メカニズムについては、同成分に確認されている「筋サテライト細胞」活性化機能に言及。同細胞は、運動などによって骨格筋が刺激されることで活性化し、筋線維の増大などを促進させるという。従来にない作用メカニズムを持つ植物由来の筋肉ケア機能性素材として注目されそうだ。
レモンマートルは、フトモモ科バクホウシア属の植物。またカスアリニンとは、レモンマートルの葉に含まれるポリフェノールの一種。カネカは今年2月、運動生理学者を招いた報道関係者向けセミナーを都内で開き、レジスタンス運動とレモンマートル由来カスアリニンの併用による筋肉量増加促進機能を検証した臨床試験結果を解説するなどしていた。
ファーマフーズ、卵黄酵素分解ペプチドを届出
この日の更新ではほかにも、新規機能性関与成分を含む届出が公開された。既存成分のN-アセチルグルコサミンおよび鶏足酵素分解ペプチドに加え、新規成分の卵黄酵素分解ペプチドを組み合わせたもので、届出者は㈱ファーマフーズ(京都市西京区)。最終製品(サプリメント)を使用した臨床試験結果に基づき、「膝関節に違和感を持つ健常な中高年の、日常生活での膝の動き(立つ、歩く、動きだしなど)において膝の違和感を緩和する機能があります」と表示する。
鶏足酵素分解ペプチド(製品名:HAS-Ⅱ)は、ファーマフーズが2023年5月に届け出ていた。それに組み合わせるかたちで新たに届け出た卵黄酵素分解ペプチドは、同社が開発した「iHA」のこと。同社が通信販売で展開しているサプリメント『タマゴサミン』は今後、機能性表示食品にリニューアルされるとみられる。
このほか、この日の更新では、2025年度の届出番号「K」シリーズとしては初公開となる機能性関与成分が目立った。モリンガ種子由来グルコモリンギン(届出者:㈱タイヨーラボ)、りんご由来プロシアニジン(同:惠遠ジャパン㈱)、コーヒー由来クロロゲン酸類(同:新日本製薬㈱)がそれにあたる。また、今回の更新にも「HMPA」が登場。同成分の届出件数は累計で125件になった。
【石川太郎】

2025年10月のデータベース更新
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