中原、第1号認証を取得 JIHFSの輸入原材料GMP認証を主力のグルコサミンで
サプリメントGMPの第三者認証機関である(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS、池田秀子理事長)は7日、昨年7月に本格運用を開始した「輸入原材料GMP(GMP-IM)認証」について、第1号認証を健康食品原材料商社の中原㈱(埼玉県さいたま市、劉連城社長)が取得したことを明らかにした。
認証の対象は、同社が機能性表示食品の機能性関与成分としても供給するグルコサミン塩酸塩で、中国から輸入しているもの。認証日は今月1日付、認証番号は「GMP-IM 001-001」。中原も同日、認証取得を発表した。今後、他の輸入原材料についても同認証の取得を進めていく方針を示している。
中原「会社全体の品質管理レベル向上に寄与」
GMP-IMは、サプリメントや健康食品に使用される原材料の多くを占める輸入原材料の品質保証を目的に、JIHFSが昨夏から導入した第三者認証プログラム。JIHFSが2015年に公表したGMP-IM規範をはじめ関係法令に基づき、認証申請のあった原材料ごとに、認証基準への適合可否をJIHFSの審査委員会で判定する。
中原によると、JIHFSへの認証申請は今年2月に行っていた。JIHFSは「第1号の申請だったことから、さまざまな側面から慎重な審査を重ねることとなり、監査から認証まで6カ月強を要した」と説明。ただし今後は「品目を重ねる中で、審査期間の短縮を図れる」との見通しを示している。
中原は今回、販売数量の多い主力製品の1つであり、同社が臨床試験を実施して安全性と有効性を検証しているグルコサミン塩酸塩でGMP-IM認証を申請し、第1号認証を取得した。取材に対し、「(中国の)メーカーにも全面的に協力してもらいながら、品質管理レベルの一層の向上を図った」(同社営業部担当者)とコメント。また、「港から倉庫までの物流、倉庫での保管、倉庫からの荷出し、さらに工場までの物流における管理体制も見直し、改善を進めた。結果的にグルコサミン塩酸塩にとどまらず、会社全体としての品質管理レベル向上につながった」とも述べた。
常に一定の品質を維持できる輸入販売管理体制か
JIHFSによると、GMP-IM認証の適合可否は、輸入販売事業者から提出された各種文書やデータ類の確認に加え、同事業者に対する実地監査を行った上で判定する。「これらに基づく総合的評価の妥当性について、審査委員会で厳正な審査を実施し、認証の可否を判断している」という。
文書・データ類の確認では、海外の原材料製造工場における製造管理および品質管理の状況、輸入原材料の品質管理方法の適否、輸入販売事業者の品質管理体制、そしてGMP-IM規範の要求事項に対する運用状況などを確認する。
その中でも特徴的なのは、海外の製造元が発行する原材料の品質規格や品質試験の妥当性を検証するだけでなく、製造元で実施された品質検査の結果と、日本で輸入後に行う試験検査との一致性を確認した上で、当該原材料が常に一定の品質を維持できる輸入販売管理体制にあるかを確認する点だ。また、市販後に必要に応じて試験や検証を行えるよう、輸入販売事業者による原材料検体の保管・管理も必須項目としている。
品質保証体制に第三者の視点を取り入れる
中原は、さいたま市の本社内に分析ラボを設置。「約20年前から、海外メーカーの工場監査や指導を通じて、日本の要求に則した品質管理を徹底してきた」(同)という。そうした中でGMP-IM認証の取得を目指した理由については、「これまでの品質管理体制を証明するとともに、第三者の視点を交えたさらなる品質管理の徹底を図るため」と説明。「時間はかかったが、GMP-IMの第1号認証を取得することができた。これを足掛かりに、多くの輸入原材料がGMP-IM認証を取得する流れが生まれれば」と話している。
【石川太郎】
(冒頭の画像:JIHFSが発行するGMP-IMマーク=上、中原の企業ロゴ=下)
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