ニッスイ、魚由来タンパク研究を深堀 スケソウダラ「速筋由来タンパク質」の筋肉増加効果について臨床試験
㈱ニッスイ(東京都港区、田中輝社長)はこのほど、スケソウダラ速筋由来タンパク質研究で新たな成果が得られたと発表した。
同社食品機能科学研究所は、白身魚であるスケソウダラのタンパク質(Alaska Pollack Protein/以下APP)の筋肉増加効果について、2009年からさまざまな大学や研究機関と共同研究を行い成果を発表してきた。現在、このAPPをスケソウダラの「速筋由来タンパク質」として、研究で得た筋肉増加効果の認知向上に継続して取り組んでいる。
今回、その研究の一環として、順天堂大学と共同で、APPを含んだ食品の摂取がヒトの骨格筋の機能に及ぼす影響を検証するパイロット臨床試験を実施した。
12週間のAPPの継続摂取後に筋生検法(筋肉の組織の一部を採取して顕微鏡で観察する検査方法)により外側広筋(太ももの外側にある大腿四頭筋の一部)を採取し、免疫蛍光染色(蛍光色素を付けた抗体を用いた特定のタンパク質を可視化する方法)により、筋線維をタイプ別に、本数および筋線維横断面積を解析。その結果、速筋線維タイプⅡa(持久型と瞬発型のエネルギー源を両方使用できる中間型)の筋線維横断面積に有意な増加、速筋線維タイプⅡx((瞬発力・パワー型)の筋線維構成比に増加傾向が認められた。また、体脂肪率の有意な減少、体重あたりの四肢骨格筋量の増加、膝を伸ばす筋力の増加傾向が確認されたという。
これらの結果は、(一社)日本体力医学会が主催した第79回日本体力医学会(9月17日~19日、立命館大学びわこ・くさつキャンパス)において、19日に発表した。
同社では、これからも水産物が持つ特徴的な機能に着目した研究を継続すると同時に、その成果を活用して、人々の健康的な生活に貢献する商品の開発を進めるとしている。