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日消連、食品添加物アンケート結果公表 具体的回答は23社中6社のみ、5社は回答拒否

 (特非)日本消費者連盟(日消連、東京都新宿区)は、食品メーカー23社に実施した食品添加物に関するアンケート結果を公表した。人工甘味料や合成着色料の使用状況・安全性について質問したところ、具体的に回答した企業は6社にとどまった。12社が一般的な見解を示した他、5社は回答を拒んだ。

12社は総合的な見解示す

 日消連は、食品添加物に関するアンケートを食品メーカー23社に対して送付し、8月末を期限として回答を求めていた。このほど、人工甘味料や合成着色料の使用状況、およびその安全性に関する調査結果を公表した。
 23社のうち18社から回答を得たが、そのうちの12社は個別の質問への明確な回答を避け、自社の立場や一般的な見解を総合的に述べている。使用実態や着色料・甘味料ごとの対応を明らかにしたのは6社にとどまった。

 個別の回答に応じたのは、日清食品ホールディングス㈱、森永乳業㈱、東洋水産㈱、キユーピー㈱、宝ホールディングス㈱、江崎グリコ㈱の6社。他方、回答に応じなかったのは、コカ・コーラボトラーズジャパン㈱、キッコーマン㈱、雪印メグミルク㈱、㈱ヤクルト本社、㈱伊藤園の5社だった。

人工甘味料のリスクなど4項目を質問

 質問項目は、①今世紀に入り、欧米で人工甘味料の摂取と種々の疾病のリスクについて疫学調査の報告があります。貴社はこのことを知っていますか、②人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、アドバンテーム、ネオテーム)及びステビアの使用について、現状と今後についてお答えください、③米国での合成着色料のタール系色素の順次規制が伝えられていますが、貴社はどのようにお考えですか、④食品添加物の安全性について、貴社の考えに近いものはどれですか――の4点。「知っている」、「知らない」で回答を求めた①以外は、5つ以上の選択肢を提示している。

使用実態と安全性への考え方に差

 使用実態と今後の方針について、日清食品ホールディングス㈱は、日本および米国で販売する製品については、②人工甘味料や③合成着色料は使用していないと明言。その他の海外製品に関しては、一部で使用があるものの、段階的に代替を検討中とした。また、④の安全性の認識として「国が安全性を確認し、基準通りに使用していれば安全」という考えを示している。

 森永乳業㈱は、②と③の使用有無については「使用しているが、今後は未定」と回答。安全性に関する考え方は、他社と同様に国の基準に基づけば安全であるという立場を取っている。

 東洋水産㈱は、②「使用していないが、今後は未定」、③「使用しているが、今後は未定」とし、安全性の認識は、「国が安全性を確認しているので、基準通りに使用していれば安全上の問題はない」としている。

 キユーピー㈱は、②について「アスパルテーム、サッカリン、アドバンテーム、ネオテームの使用実績はありません。アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビアは使用実績があり、今後も使用する可能性があります」、③「当社ブランド商品について、当該物質の使用実績はなく、今後も使用の予定はありません」と詳細に回答。④についても「食品添加物は安全性と有効性を国や国際機関で審査されて許可されており、その使用基準等を守って使用する限りは問題ないと考えている。自社の判断として、懸念がある食品原料や食品添加物は使用を控えることがある」としている。

 宝ホールディングス㈱は、②「使用しており、今後も使用する」、③「使用していないし、今後も使用しない」。④については、安全上の問題はないとすると同時に、「国の安全性確認には限界があると考えるので、慎重に対処すべき」、「消費者が不安に思っている食品添加物はできるだけ使わない」との選択も行った。使用継続を前提としつつ、消費者の感情や社会的リスクへの配慮を強調する立場と思われる。

 江崎グリコ㈱は、②「使用しているが、今後は未定」、③「使用していないし、今後も使用しない」。④については、「消費者が不安に思っている食品添加物はできるだけ使わない」、「海外の情報などを収集して対応の参考にしている」とした。宝ホールディングスと同様、科学的安全性と社会的受容性のバランスを重視しているようである。

回答の詳細はこちら(日消連HPより)

【田代 宏】

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