カルビー、短鎖脂肪酸産生の促進を検証 パーソナライズな食の提案に向けメタジェンと共同研究
カルビー㈱(東京都千代田区、江原信社長)はこのほど、個人の腸内環境のタイプに合ったプレバイオティクスグラノーラの摂食で、短鎖脂肪酸の増加・気分の改善効果を確認したと発表した。
㈱メタジェン(山形県鶴岡市、福田真嗣社長)との共同研究によるもの。研究成果が、7月25日(金)にオンライン学術誌「Frontiers in Microbiology」に掲載された。
同研究では、健康な成人男女93人を対象に腸内フローラ検査を実施し、各々の腸内環境のタイプに合ったプレバイオティクスを含むグラノーラを8週間毎日朝食として摂食することで、短鎖脂肪酸産生が促進されるかを検証した。その結果、便通の改善効果などが報告されているBifidobacterium(ビフィズス菌)および有機酸の一種であるカプロン酸が増加したほか、短鎖脂肪酸の一種である酢酸に増加傾向が認められた。また、総合的な気分状態の改善が示された。
さらに腸内フローラをタイプ別に分析したところ、増加する有機酸の種類と気分状態の改善項目がタイプによって異なっており、個々人の腸内環境に応じた効果の違いが示唆されたという。
同社では、今後は、精密栄養学(precision nutrition)の一環として、腸内環境に基づいたパーソナライズな食の提案によるヘルスケアをより強固に進めていく必要があると考えている。これからも、個人の腸内環境を考慮し、腸内環境の層別化・最適化に着目した研究開発やサービスを促進することで、人々の健やかなくらしに貢献できるよう邁進するとしている。