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高い正社員率で企業のBPO推進に貢献 【九州のヘルスケア産業2025】CENTRIC熊本支店、センター長・大城翼氏に聞く

 CENTRIC㈱(東京都豊島区、山田亮社長)は、2009年に創業。コンタクトセンター運営、コンタクトセンターコンサルティング、音声感情解析サービス開発研究・販売事業を手掛ける。「人の成長が、会社を大きく成長させる」という思いから、人とシステムに大きな投資を行う。センター運用を支える「人」への投資としては、オペレーターまで含めた全体の正社員採用比率を60%以上に設定し、独自の採用基準と独自の教育、研修で定着率と業務習熟速度の向上を実現している。同社最大席数を誇る熊本支店のコンタクトセンター。大城翼センター長(=写真)に話を聞いた。

同社最大の席数を誇る。クライアントは全国に

――東京の本社を含め、拠点が4カ所ありますが、こちら、熊本支店のコンタクトセンターが貴社最大だとお聞きしました。
大城 はい、そうです。当社は東京・池袋の本社以下、熊本支店、和歌山支店、沖縄支店の拠点があります。その中で、ここ熊本支店は190人が在籍する当社で最大の拠点です。市内に住む正社員、主婦の方や学生さんなどのパート・アルバイト、派遣スタッフなどが、日々、お客様である企業のコンタクトセンター、コールセンター業務を担当しています。年齢も幅広く、以前は10代の学生アルバイトの方もいましたし、70歳のベテランスタッフもいます。男女比は男性3割、女性が7割となっています。

 当社の特徴でもある正社員率につきましては、派遣会社からの勤務者を入れると55%になり、直接雇用で言いますと80%です。短時間や短期間のアルバイトスタッフもしっかり勉強し業務に取り組んでくれていますが、正社員が多いことがお取引先には好評のようです。正社員率に関しては、同業他社の全国平均が約10%と言われておりますので、その高さには驚かれます。

 請け負う仕事は、通販会社などの販売のためのコールセンター業務、メーカーなどのお客様問い合わせ業務などの他、自治体サービスの問い合わせ業務など多岐にわたります。依頼される事業者は全国です。むしろ事業者数から考えますと県外からの依頼がほとんどです。

――先日、貴社の和歌山支店が24時間対応になったとお聞きしました。熊本支店はいかがでしょうか。
大城 こちらはすでに24時間対応です。190人のスタッフが、土日も含めて24時間・365日対応しています。 
 とは言いましても24時間対応の案件はごく数件で、代表的なのがコンビニエンスストアの決済端末の決済エラー対応です。多くはクレジットカードが何らかの理由で決済ができない場合に、店員から連絡が入り、こちらから遠隔でご案内するという案件です。ただし、ほとんどトラブルはありませんので、連絡が来ることもほとんどありません。システムも優秀ですからそうそうエラーは起こりませんが、お店を24時間開けている以上、絶対起こらないとも限らないため、24時間対応できる当社が重宝されているということだと思います。

――クライアント数、請け負っている業界・業種はどうでしょうか?
大城 クライアント数は全部で29社あり、業界・業種は多岐にわたり、対医師や対患者といった医療系の業務もあります。コールセンター業務だけではありません。入力などの処理関連業務も多くあります。29社のうち5・6社をシェアード対応するスタッフもいれば、A社専任というスタッフもいます。いずれにしましても29社あり、中には特有のルールを設けている会社もありますので、覚えること、教えることも多く大変です。

 また、できるだけ似たような商品・サービスの仕事は、同期間で複数社請け負わないようにしておりますが、どうしても重なってしまう時がありますので、業務で知り得た情報は、社外はもちろんですが、社内においても他言しないよう細心の注意を払っています。依頼者からすれば、場合によっては同業他社に先駆けて展開したい商品やサービスの案内をお願いするケースもあるでしょうから、お互いの信頼関係を維持する上でも徹底しています。そういう観点からも、先ほどお話しした高い正社員率が武器になっているのではないでしょうか。

――その上で、依頼する企業からアドバイスを求められることは?
大城 正社員率の高さは、従業員1人ひとりの定着率の高さにつながります。経験豊富なスタッフも多いことから、販売戦略や商品開発のヒントを得ようと、クライアント企業から相談されるケースも少なくありません。コンタクトセンターのスタッフは、日々、クライアント企業の商品を愛用する顧客や、購入したい消費者と電話等で接します。生の声を聞いていますので、それは貴重な材料になります。具体的な社名や商品名はもちろん言えませんが、これまでの知識や経験、ノウハウがありますから、お客様のお困りごとなどをお伺いし、適切な商品をご提案することができます。お客様に寄り添った対応は当社サービスの付加価値を高めています。

――熊本支店のお仕事の中で、ヘルスケア関連のお仕事はどのようなものがありますか?
大城 洗顔料、スキンケア商品、メイクアップ商品、健康食品の通信販売事業者の仕事を請け負っています。福岡の企業です。私たちの同業ともいえるコールセンター事業者が多い福岡市内ですが、より高品質な業務に期待し私たちをご指名いただきました。その他にも、漢方薬の販売事業者や東京に本社を置く大手のサプリメント通販事業者のお仕事も請け負っています。熊本支店の業務のうち、化粧品・健康食品関連は20パーセントを占めています。
 
 新規のお仕事に関しては、おかげさまでご紹介をいただくケースがほとんどです。先日も福岡にある健康食品を取り扱う事業者様から、予約受付の窓口業務をBPOの観点から外注したいということでお問い合わせをいただきました。

コロナ禍で自治体の仕事。熊本県・熊本市と連携

――コロナ禍では、自治体からの依頼を多く受けていたとお聞きしました。熊本県からの仕事は多かったみたいですね。
大城 熊本県内の全ての地域の仕事を請け負いました。具体的には、感染者情報の登録とワクチン接種予約などのお仕事です。熊本支店は、熊本市役所からもほど近い立地にありますが、もともと、ここに拠点を構えることになったのも熊本県の企業誘致担当の方からの紹介でした。そういったご縁もあり、コロナ禍では、熊本市から委託業務が始まり、その品質とスピード感を評価いただき、県内全域に広がったという感じです。
 コロナ終息以降、そういった仕事はなくなり会社全体の業績は少し落ち込みました。そこで新規に健康食品・サプリメント、化粧品を扱う通販会社からのお仕事を受託するという手もありましたが、やはり当社の強みは自治体とのつながりです。そこで、定期的に熊本市や熊本県の担当者と情報交換を行い、BPO事業者としてのコンタクトセンター需要を取り込めるよう活動しています。全国的に見ると当たり前になってきているコールセンターや消費者からの問い合わせ窓口を他に出すという事案が、熊本県の企業は現在受託が無い為、情報交換を通じて解決策を探っています。

――通販はEC化が進み、以前のような電話による販売も減っていると思います。また、消費者からの相談もAIやチャットで対応するなど、デジタル化が進んでいます。影響はどうでしょうか?
大城 全くないとは言いませんが、当社のコンタクトセンターは、既存客にコース変更を提案することはありますが、新規購入のための架電営業はしておりません。基本は消費者からの問い合わせ対応がメインですのでそこまで影響はありません。確かに、通販のEC化が進み、インフォマーシャルや新聞折り込みからの問い合わせ電話は確実に減っています。それでも、少しでも新規客を取り込むため、通販各社はECで販売をしても、商品やその他問い合わせを電話で受け付ける事業者はそこまで減っていないという印象です。

 また、チャットボットによる自動応答技術も進化していますが、それでも複雑な問い合わせには人間が対応せざるを得ないというのが現状です。これも技術の進歩で解決できるようになるでしょうし、また当社として新たに貢献できることもあると思います。

 BPOに課題を感じている事業者は多いと思いますので、現状の熊本支店のクライアント数29社は、まだまだ増やせると思います。現在スタッフ数は190人ですが、支店のキャパで言うとまだ増員が可能です。高い正社員率を維持しながらスタッフの増員を図り、クライアント企業の急な対応にもお応えし、全社的にも掲げておりますが、「企業のBPO推進に貢献する」企業を目指します。

――ありがとうございました。

【聞き手・文:藤田勇一】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:熊本市中央区下通1-3-8下通NSビル6F(熊本支店)
TEL:096-285-9830
URL:https://centric.co.jp/ec/
事業内容:コールセンター運営事業、感情解析サービス開発研究、販売事業など

(下の写真:同支店内のコンタクトセンター/同社提供)

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