大阪・関西万博を視察 強風で大屋根リングは歩けず
8月10日、大阪・関西万博を視察した。報道や出展・スポンサー各社からのリリースなどでその様子は伺い知れるが、開幕して4カ月が経ち、今回初めて現地で体験することができた。
大阪メトロ御堂筋線の梅田駅を出発し、同線本町駅で中央線へ乗り換える。本町駅では、地元の通勤・通学客、生活者への影響を鑑み、万博来場者専用の乗り換えルートや乗り換え口が設けられていた。その甲斐あってかスムーズな乗り換えができ、混雑することなく時間通りに到着することができた。
東ゲート最寄りの夢洲駅に9時過ぎに到着すると、そこはすでに人で溢れていた。午前10時の入場予約チケットを持ち、いざゲートへ。と思ったら、ゲート前には9時予約のチケットを持つ人の入場が続いており、その後方に設けられた待機場所に、10時入場を待つ多くの人が。よく見ると、さらにその後の11時入場の待機場所にもすでに人が。混雑緩和と熱中症対策なのか、10時より前に入場が開始。スムーズな入場手続きの甲斐もあり、10時10分には会場内に入ることができた。
会場に入ると、いやでも木製の大屋根リングが目に入り、その存在感に圧倒された。「さあ上るぞ」と意気込んだのもつかの間、この日は、強風でリング上部に上がることができない旨を知らせる看板が目に入ってきた。それでも「午後になれば」と期待しつつ、まずは下からその大きさを堪能。途中、移動がてら、下の道を少し歩いたものの、結局、終日、上を歩くことはできなかった。

(上の写真:下から見上げた大屋根リング)
ヘルスケアやウェルネスのテーマブース
東ゲートを入りすぐ右手の大屋根リングの外側にあるのが「大阪ヘルスケアパビリオン」。そのコンセプトや内容は割愛するが、協賛企業による体験ブースや紹介コーナー、フードコートなどがあり、多くの人でごった返していた。話題となっていた「ミライ人間洗濯機」は間近で見ることができたが、iPS細胞をテーマとした展示「iPS Cells for the future」には長い行列ができており、残念ながら遠目に見るにとどまった。 夏休み中で、なおかつ連休ということもあり会場外でもさまざまなイベントやパレードなどが催され、予約がなくても楽しめる工夫があちらこちらで見られた。

(上の写真:大阪ヘルスケアパビリオンの外観)
昼食後、会場を歩きながら予約なしで入ることのできる各国のパビリオンを探すも、そこはどこも長い行列ができており、歩き回った末に断念。その後、予約していた、ある大学とある企業のコラボパビリオンに入場。そこは未来都市を創造した展示で、信号がなく自動運転で制御された車が走る街のジオラマやウェルネスを追求した家、地球環境対策に関する研究発表などが展示されていた。
残すところ2カ月に
この日は曇り空で、幸い、心配していた気温もそれほど高くなく、比較的快適に過ごすことができた。それでも、入場前から終始、適度な水分摂取と休憩などを呼び掛ける放送が流れるなど、熱中症対策や体調不良時の救急対応が徹底されている様子がうかがえた。
午後5時、西ゲートから退場しシャトルバス乗り場へ。空港や駅の他、各方面に向かうバスの乗り場が設けられ、それぞれの乗り場を任された、幅広い年齢層の運営スタッフが笑顔で見送っていた。
開幕前や開幕直後、ネガティブな情報が飛び交ったこの万博も残すところ2カ月となった。この日だけでも、何度も来ているとみられる人や小さな子供を連れた人、高齢の親と一緒の人など、多くの人が国内外から来場していた。来場者も増え、開幕直後と比較して盛り上がっているとも聞く。子どもたちの夏休みが終わる8月以降も、同万博内では、閉幕までさまざまなイベントが企画されている。閉幕後、「成功」という言葉が聞かれるかどうか。同万博は10月13日まで開催される。
【藤田 勇一】
(下の写真:西ゲート前の様子)

(冒頭の写真:入場を待つ人でごった返す東ゲート前)