安全・品質・技術で信頼を築く ユニキス、進化する専門商社の姿
ユニキス㈱(東京都中央区、橘本賢次郎社長)は、機能性食品原料を中心に高品質な国内外の素材を安定供給する専門商社だ。オムニアクティブ社の原料「ルテイン」を中心に、インデナ社の原料「ビルベリー」、「イチョウハ」を取り扱う。高度な品質管理を行うことで安全・安心な原料を安定供給している。同社の最大の強みは、単なる原料の売買にとどまらず、科学的根拠に基づいた品質管理と提案力を持つ点にある。
機能性素材に強み――営業技術部で差別化進む
同社は、オムニアクティブヘルステクノロジーズ社(インド・ムンバイ)製造のルテイン20%以上・ゼアキサンチン4%以上の比率で規格化した「ルテマックス2020®」、ルテイン20%以上・ゼアキサンチン1%以上を規格化した「ルテマックスフリールテイン®」を提案する。また、現在展開しているオイルタイプだけでなく、新剤型として顆粒状のビーズタイプを上市し、様々な剤型への応用が可能となり、よりお客様のニーズに応えらえるように力を入れている。
前者はもちろんのこと、リーズナブルな価格で提供することができる後者の提案にも力を入れている。品質面では前者同様の管理を行っており、機能性表示食品としての実績もある。輸入時には毎ロットで残留農薬や酸化防止剤、溶媒などの分析を実施しており、日本の基準に適合していることを確認した上で供給されている。マリーゴールドからの抽出・製剤化工程におけるトレーサビリティも確保され、海外規制への適合性も評価が高い。
スポーツニュートリションやロコモ対策に期待されるリボース(D-リボース™)の引き合いも増えている。味は砂糖の60%ほどの甘みがあり、ほんのりと清涼感を感じる。消耗したエネルギーレベルを上昇させることで運動後の栄養補助食品として人気がある。
営業技術部を設立――商社から“専門集団”へ
昨年6月には「営業技術部」を新設し、商社機能に加え、技術的知見に基づいた提案体制を強化した。原料の科学的評価や機能性表示対応のサポート、クライアントからの詳細な質問にもスピーディに対応可能な体制が整いつつある。
PRISMA2020準拠の研究レビューに基づく届出サポートの構築や、機能性素材の臨床研究にも積極的に投資しており、今後、公表予定の届出案件も控えている。現場では原料選定から届出までのサポート要請が増加しており、”安全・安心・安定供給”型商社としての存在感を強めている。
同社では基幹システムの入れ替えやIT活用による業務効率化も進めている。取り扱い品目は細かいものまで含めて3桁を超え、正確な情報を顧客に迅速に提供するための情報システム強化は不可欠となっている。今期は他社原料の情報も一元的に管理し、問い合わせに即時対応できる体制を構築中だ。また、倉庫の分散配置やCO2排出量の把握など、BCPおよび環境対応の観点からの整備も進めており、持続可能性に配慮した運営も評価されている。
国内外の連携強化――新規案件も活性化
同社は国内外のサプライヤー・パートナー企業と連携した「チーム営業」を推進しており、ロンザ㈱、シー・アクト㈱、インデナジャパン㈱、㈱ヘルシーナビなどとの共同展開を通じて、大型案件や新素材導入の引き合いも増えている。
今後は3年スパンでの中長期的戦略を描きつつ、既存製品の深堀りと新素材開拓の両輪で事業拡大を目指す方針だ。橘本社長は「これからは商社としての機能にとどまらず、チーム全体で事業と社会への貢献を果たしていく」と語る。
消費者庁による機能性表示食品制度の見直しやPRISMA2020の導入、健康食品業界における品質・安全基準の変化など、制度対応は複雑化している。ユニキスでは、社内外の情報を迅速に整理・共有する体制を築き、制度変更にも柔軟に対応。既存団体との連携や、業界の中での情報発信・受信能力も強みとなっている。
COMPANY INFORMATION
所在地:東京都中央区日本橋室町1-11-8(本社)
TEL:03-5299-5811
URL:http://uniques.co.jp/
E-mail:info@uniques.co.jp
事業内容:健康食品・化粧品の原料販売
(冒頭の写真:マリーゴールドの花)