医薬品成分を含有する製品を発見 東京都がSNS投稿を契機に発見
東京都は15日、危険ドラッグの「試買調査」により、医薬品成分「タダラフィル」を含有する製品が発見されたことを公表した。都は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上の投稿をもとに入手した製品について試験検査を実施し、医薬品成分の検出に至った。
都は危険ドラッグによる健康被害の未然防止を目的に、危険ドラッグの「試買調査」を継続的に実施している。このたび、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上に投稿された情報をもとに入手した製品について成分検査を行った結果、医薬品成分「タダラフィル」が検出された。
同品は『Royal Honey VIP』と称する液体製品で、表示には邦文による製品名や原材料、製造者情報が記載されていない。分析の結果、1包あたり92mgの「タダラフィル」を含有することが確認された。
タダラフィルは、日本国内において医薬品(販売名:シアリス錠)として勃起不全の治療を目的に使用されている成分。使用に際しては副作用(頭痛、ほてり、動悸等)や硝酸剤との併用による過度な血圧低下、心筋梗塞などの重篤な心血管系の有害事象が報告されている。
このような医薬品成分を無承認で含有する製品は、無承認無許可医薬品として医薬品医療機器等法(薬機法)第55条第2項に違反しており、販売・授与などは法令によって禁止されている。現時点で同品による健康被害は報告されていないが、摂取により健康被害が発生する恐れが否定できないため、都は当該製品の使用中止を呼びかけている。
また、SNS運営事業者に対して該当投稿の削除を要請し、公式ホームページ等で都民に周知を図るとともに、関係団体への注意喚起および流通経路の調査を進めている。試験は東京都健康安全研究センターが実施し、製品現物は薬務課にて保管されている。
この情報は厚生労働省にも共有し、同省ホームページでも注意喚起している。