主要政党アンケート結果公表 参政党、日本保守党は全問無回答
既報のとおり、食の安全・監視市民委員会は参院選に向けて、食の安全政策に関する6項目の質問を各政党に提示した。このほど、その回答を公表した。
質問内容は、輸入食品の安全性、ゲノム編集食品表示、PFAS規制、食品添加物の表示、加工食品の原産地表示、機能性表示食品制度のあり方である。問いの全てについて、参政党と日本保守党は無回答だった。特に、「食と健康・環境保全」を重点政策に掲げる参政党がアンケートに無回答であることは気掛かり。以下、各政党の姿勢を概観する。
「輸入食品の安全性」規制緩和に警戒感も
米国との貿易交渉における農畜産物の輸入拡大について、多くの政党が日本の食の安全や自給体制への影響を懸念している。立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組などは規制緩和に強く反対し、BSE関連やポストハーベスト農薬の問題を指摘。一方、自民党や公明党は現行基準の重要性を訴えつつも、科学的評価に基づいた対応を基本とする立場を取っている。
「ゲノム編集食品表示」選ぶ権利を重視する声も
ゲノム編集食品については、共産党、社民党、れいわ新選組が表示義務や事前審査の法制化を明確に支持。立憲民主党も表示制度の見直しに言及した。これに対し、自民党や公明党、NHK党は、科学的に実効的な検査手法が確立していない現状を踏まえ、義務化には慎重な姿勢を示している。
「PFAS規制」水質基準の強化と住民支援を求める声
PFOSやPFOAをはじめとする有機フッ素化合物(PFAS)の環境汚染については、立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組などが国による調査や基準強化、血液検査の実施を求めた。自民党や公明党も水質基準の見直しや情報提供体制の充実に言及している。
食品添加物表示全面表示や制度見直しを支持する党も
食品添加物の表示について、社民党やれいわ新選組は物質名での全面表示を主張し、現行制度の見直しを求めた。公明党は分かりやすさと誤認防止の両立を提唱し、自民党は既存の検討会の結論に基づき現行制度を維持する立場を示した。
「加工食品の原料原産地表示」正確性確保への対応分かれる
「小麦粉(国内製造)」のような表示が消費者に誤認を与えることへの対応として、社民党やれいわ新選組は、生鮮原材料にまで遡った明確な表示を要求。自民党や公明党は、制度上の限界を踏まえた上での改善検討に言及している。
「機能性表示食品制度」見直しから廃止まで幅広い議論
小林製薬の紅麹サプリメント事件を契機に、制度廃止を訴える声も上がった。共産党、社民党、れいわ新選組は、安全性や機能性が事業者任せである点に強い懸念を表明。自民党、公明党は、GMP義務化や情報提供の充実など制度見直しの取り組みを進めていると説明した。
立憲民主党は、医薬品に近いサプリには安全対策と救済機関の設置を検討し、健康食品全体については科学的根拠に基づく情報公開と表示・広告の適正化、不適切表示の取締り強化、制度の抜本的見直しを目指すとしている。
【谷山 勝利】
詳細はこちら(食の安全・監視市民委HPより)