小林製薬、自社通販から撤退 一部製品は他社ECサイトで継続、通販・小売併売品は小売に集約
小林製薬㈱(大阪市中央区、豊田賀一社長)が今年末を目途にサプリメントやスキンケア製品などの自社通販事業から撤退する。同様にコールセンターを通じた販売も終える。同社が製造、販売したサプリによる健康被害問題を受けた構造改革の一環。今後は、ドラッグストア等の小売店や他社のECサイトを通じた販売に集中する。8日開催の取締役会で決議し、発表した。
同社の自社通販事業の主力製品はサプリだ。同事業の売上高は2022年12月期に約85億円あったものの、健康被害問題後の24年12月期は約45億円と半減していた。同社は、自社通販撤退の理由について、「近年の事業環境の変化や販売状況も踏まえ慎重に検討を重ねた結果」だと説明している。
一部の製品は、他社のECサイトを通じて販売を継続する。継続する製品やそれを購入できるECサイトについては来月下旬から順次、アナウンスする。終売する製品も出てくる見通し。他方で、自社通販と小売店の両方で販売している製品については、小売店での販売に集約していくという。
同社は今年2月、健康被害による製品回収などで前提条件が変わったとして中期経営計画を取り下げるとともに、不採算事業の整理も視野に入れた「抜本的な経営改革」を含む構造改革を進めたい考えを発表していた。
【石川太郎】
(冒頭の写真:小林製薬の旧大阪工場)
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