山笠太郎の健康管理とほほ日記 ~不摂生な私が25年もスポーツクラブに通える理由~(23)【東京編(10)】
ザップを彩るマッチョな面々その2 ボディビルダー「Wさん」
さて…現在、世間ではちょっとした筋トレブームだ。そして、そこかしこにパーソナルトレーニング専門ジムが乱立気味に(苦笑)新規オープンし始めてきた。まさかお笑い芸人までマッチョ化するとは夢にも思わなかったが…(苦笑)
やや違和感がなくもない(苦笑)健康食品のテレビCMに登場する元気なおじいちゃんおばあちゃん達からの影響か、シニア世代も積極的にスポーツクラブに通うようになってきた。
まだ筋トレ文化がマイナーだった20数年前、ザップ(編集部注:当時、太郎ちゃんが東京で通っていたスポーツクラブ)には小生が思わず2度見してしまうほどマッチョなボディビルダー「Wさん」がいた。
Wさんは、当時の頃より生息し始めてきた(笑)承認欲求の強いオラオラ系マッチョな兄ちゃん達とは一線を画し、常に存在を消すかの如くトレーニングパートナーの若者を従え、静かに現れるのだ。
小生がWさんを「あれっ」と思わず2度見してしまった最大の要因は、その顔の小ささと首から下のカラダのデカさのバランスがアンバランスすぎたからであった。
背丈は185㎝強と大柄なものの、顔の大きさは一般的日本人男性の中においても小顔に分類されるサイズだった。そして顔つきは、プロレスラー佐々木健介を童顔にしてイケメンにした感じでいかにもボディビルダーな風貌だ(笑)
さらに上下ゆったり目の長袖、長ズボンのトレーニングウェアを身にまとっているぶん、余計に小さめの顔とカラダのアンバランスさが際立っていた。そんな風貌なので、キン肉マンの着ぐるみでも着ているのでは的(苦笑)錯覚を小生にさせたのであった。
思わず「まるでリアルキン肉マン…リアル北斗の拳のケンシロウだぜ…まじかぁ」と心の中で叫んでしまった(笑)例えてみるならば、大谷翔平がボディビルダーになったらきっとあんな感じになるのではないであろうか…。
どうしてそんなにムキムキなのか、その理由と顛末に言葉なく
当時の小生、日本人が欧米のトップボディビルダー並みにムキムキマッチョになるのは不可能に近いのではないかと考えていたので、ザップのスタッフにそれとなく「Wさんてどんな人…?」と聞いてみた。
「あぁ、Wさんねぇ…ゴッツいっすよね。確か、日本国内のボディビルの大会では禁止されている筋肉増強剤使っているので出られないみたいで、定期的にアメリカの大会に出場してるみたいっすよ。でもヤバいっすよね(苦笑)」
「何が?」
「あんなに筋肉増強剤を使い続けていたらいずれカラダがぶっ壊れちゃいますよ、マジで」
その後、小生は転勤と異動を繰り返し、10年強を経てSCM(サプライチェーンマネジメント)本部長として東京へ戻ってきた。ザップはすでに潰れてしまい、いつの間にかディスカウントストアへと様変わり(汗)小生的には気が進まなかったが自宅から徒歩5分の大手総合スポーツクラブ「ライトウエルネススポーツプラザ」へ週末通っていた。
日曜日の混雑した館内で、40代とおぼしきごく普通の女性からの、かいがしい筋トレのサポートを受けるWさんをなんと偶然にも発見したのであった。
かなり久しぶりに(汗)改めてWさんを観察すると、小生がWさんをお見かけするタイミングは、常に筋トレをガンガンやって食事もしっかり摂取し、一番デカく(脂肪分も含め)カラダが膨らんでいる状態の時期である事が理解できた。恐らく大会が近づくにつれて、筋肉は落とさずに脂肪だけをそぎ落とす過酷な生活に入っていくのであろう。
そしてさらに時は流れ、「コロナの時期」を経て数年経った頃、沖山クンに「そ~いえばWさん、最近見かけないねぇ」と何気に問うと、
「山笠さんご存じないのですね…もう随分経ちましたけれど…Wさん、確か心臓麻痺とか心不全で急死されたんですよ。奥さんと仲良しの会員さんから聞いて僕もビックリしました…」
小生、沖山クンのストレッチを受けつつその後の言葉を飲み込むしかなかった。
(つづく)
<プロフィール>山笠太郎(やまがさ たろう)
三無主義全盛の中、怠惰な学生生活を5年間過ごした後、運良く大手食品メーカーに潜り込む。健康食品事業部に配属され、バブル期を挟み10年。その間に健康食品業界で培った山笠ワールドと言われる独自の世界観を確立。その後社内では様々な部門を渡り歩き47都道府県全ての地に足を踏み入れる事となる。