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消費者庁、3農薬の残留基準値見直しへ 改正告示を公示、一部経過措置も

 消費者庁は令和7年6月19日、食品、添加物等の規格基準の一部改正を告示した(内閣府告示第100号)。同日、パブリックコメントも公表した。
 今回の改正では、3種の農薬について食品中の残留基準値の見直しが行われた。対象となった農薬は殺菌剤・殺ダニ剤「フルアジナム」、殺虫剤「フルピリミン」、殺菌剤「マンデストロビン」の3種。

基準値引き下げ対象は公布日から1年間の猶予

 改正内容のうち一部品目においては基準値が引き上げられた一方、引き下げ対象となった食品については、公布日から起算して1年間の経過措置期間が設けられ、令和8年6月19日より新基準が適用されることとなった。改正概要は以下のとおり。

フルアジナム:にんにく、マンゴー、茶、はちみつで基準値を引き上げた他、小豆類、やまいも、だいこん類など16品目で基準値を引き下げた。

フルピリミン:トマト、きゅうり(ガーキンを含む)で基準値を引き下げる一方、玄米について基準値を0.7 ppmから1 ppmへ引き上げ。その他、豚・牛などの肝臓、食用部分なども一部基準値を引き上げ。

マンデストロビン:トマト、きゅうり、茶の3品目で基準値を引き下げた。茶については40 ppmから30 ppmへ引き下げとなる。一方、牛の筋肉や魚介類、ぶどうや表にないその他の野菜などの多くで基準値を引き上げた。

残留基準改正案に対し、消費者から懸念の声

 この改正に伴い実施された意見募集(パブリックコメント)では、意見提出者から合計4件のコメントが寄せられた。消費者庁が公表した農薬フルアジナムに関する残留基準の改正案に対して、分類の曖昧さや基準値の高さ、そして農薬使用全般に対する根本的な疑問について複数の反対意見が寄せられた。

 ある意見では、「その他の野菜(ずいき及びれんこんを除く。)」という大雑把な分類に疑問を呈し、特にキク科、セリ科、アカザ科などの代表的な野菜が個別に記載されていない点を問題視した。これらを「その他」に一括りにした上で一律に5ppmという残留基準を設定するのは不適切であり、せめて科単位での明示が必要であるとの主張がなされた。

 この意見に対し消費者庁は、当該基準値は国内の使用方法に基づく作物残留試験の結果から設定されたものであり、食品安全委員会の評価に基づいて国民の健康に悪影響が生じないよう定めていると説明した。また、キク科(例:ごぼうやレタス)などについてはすでに個別に基準値を設定しているとし、「農産物等の食品分類表」や食品衛生基準審議会の「基本原則」への参照を促している。

農薬そのものへの根本的な反対意見も

 一方、農薬の使用自体に対する反対意見も複数寄せられた。「アレルギーを発症する人間が増えている中、薬害が関与しているのではないか」、「農薬残留という言葉そのものが異常」といった声が挙がり、無農薬や自然栽培の推進を求める意見も目立った。

 これらの意見に対し消費者庁は、農薬の使用は農薬取締法に基づいて農林水産省および環境省により厳格に審査され、安全性・有効性が確保されたものだけが認可されていると説明した。また、残留基準についても、定められた使用方法に基づいた残留濃度から算定しており、長期・短期の摂取の両面から健康に影響がないよう設定されていると強調した。

【編集部】

パブコメの結果はこちら(e-GOVより)

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