機能性表示食品、表示基準また改正へ 消費者庁が改正案、表示禁止事項を一部見直し
消費者庁は、食品表示法の規定に基づく内閣府令である食品表示基準のうち、機能性表示食品に関する条文の一部を改正する。改正するのは、表示禁止事項の一部で、機能性表示を行わない一般的な食品と同様に、成分を添加していないこと、含まないことなどを強調できるようにする。13日、改正案を公表し、パブリックコメントの受付を開始した。食品表示基準の改正には消費者委員会の了承が必要なため、近く、同委員会に対して改正案を諮問する。
マイナス方向の強調を可能に
機能性表示食品は、食品表示基準に基づき、機能性関与成分以外の成分を強調する用語の表示が一部を除いて表示禁止事項とされている。このため、届け出た機能性関与成分以外の含有成分を強調することはもとより、成分を「添加していないこと」や「含まないこと」を強調することも、食品表示基準に規定のある一部を除いて認められていない。
同庁食品表示課によれば、食品表示基準を改正してこの規定を見直し、強調する用語表示のうち成分を含まないことなどマイナス方向の強調に関しては、機能性表示を行わない一般的な食品と同様、容器包装上に表示できるようにする。ただし、「表示したい機能性に関して届け出る」ものである機能性表示食品制度の趣旨を踏まえ、届け出た機能性関与成分以外の成分を含むことを強調する用語については、一部を除き引き続き表示禁止事項のままとする。
同庁が改正案を示した食品表示基準の条文は、表示禁止事項を規定した第9条のうち、機能性表示食品に関する規定を定めた部分。
現行は「第7条の規定に基づく栄養成分の補強ができる旨の表示及び栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表示をする場合を除き、消費者庁長官に届け出た機能性関与成分以外の成分(別表第9の第1欄に掲げる栄養成分を含む)を強調する用語」としている条文を、以下のように改める案を示した。
「消費者庁長官に届け出た機能性関与成分以外の成分(別表第9の第1欄に掲げる栄養成分を除く)を含むことを強調する用語」
また、生鮮食品に関する表示禁止事項を規定した、第23条の機能性表示食品に関する条文についても、同じように改正する案を示している。
食品表示基準の別表第9は、任意表示について規定した第7条などに関係するもので、第1欄では栄養成分の名称が列挙されている。また、栄養成分が補給できる旨の表示基準は別表第12に、一方、含まない旨や低い旨などの表示基準は同第13にそれぞれ規定されている。
パブリックコメントの募集期間は来月14日まで。消費者庁は、現時点では未定の公布日と同時に、改正した食品表示基準を施行する考えを示している。
【石川太郎】
関連資料:食品表示基準の一部を改正する内閣府令(案)に関する意見募集について(e-Govパブリック・コメントサイトへ)
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