東京都が「夏の食品衛生一斉監視」を実施へ 食中毒予防と大規模イベントに備えた対策を強化
東京都は、6月2日~8月30日までの約3カ月間にわたり、特別区および八王子市・町田市と連携して「夏の食品衛生一斉監視」を実施する。高温多湿となる夏場は細菌の繁殖が活発になり、食中毒のリスクが高まることから、都内各保健所や衛生検査機関を中心に、重点的な監視・指導を行う。監視の結果について、25年9月下旬に速報として公表する予定。
大量調理施設への重点指導
同監視では、まず弁当製造や給食提供など大量調理を行う施設を重点対象とする。特に、子どもや高齢者など重症化リスクの高い層が利用する集団給食施設に対しては、食材の衛生的取扱いや調理従事者の健康管理に関する指導を強化。食中毒の集団発生防止に向け、衛生管理体制の再点検を促す。
生食による食中毒防止も徹底
食肉の生食による重大な健康被害を防止するため、飲食店への監視も強化する。特に、法令で禁止されている「牛レバー刺し」や「豚肉の生食提供」については、その中止を徹底して指導。鶏肉についても、生または加熱不十分な状態での提供自粛を求める。また、牛肉のユッケなどの生食用肉については、法的基準の遵守状況を重点的に監視する。
HACCPに基づく衛生管理支援
さらに、改正食品衛生法に基づき制度化されたHACCPによる衛生管理の定着を図るため、事業者の規模や取り組み状況に応じた支援も行う。HACCPは、原材料の入荷から製品出荷までの各工程において、危害要因を特定・管理し、食品の安全性を確保する手法。
世界陸上・デフリンピックに向けた対応も視野に
今回の監視は、都内で開催される「世界陸上競技選手権大会」および「夏季デフリンピック競技大会」の開催も視野に入れている。観客や関係者に提供される食品の安全性確保を目的に、関連施設や販売店に対してもHACCPを基盤とした監視・指導が行われる。
また、テイクアウトや宅配、食べ残しの持ち帰りといった多様な提供形態を持つ飲食店にも対象を拡大し、衛生的な取扱いの徹底を図る。食品表示についても、期限表示やアレルゲン表示の適正化を中心に、製造・販売・流通各業種への監視指導を実施する。
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