1. HOME
  2. 特集
  3. 機能性表示食品の文字を枠囲みで上部 【改正・機能性表示食品制度の全貌】近接した場所に届出番号、法令で規定

機能性表示食品の文字を枠囲みで上部 【改正・機能性表示食品制度の全貌】近接した場所に届出番号、法令で規定

 健康被害に端を発した今般の機能性表示食品制度改正では、容器包装表示の在り方まで見直された。食品表示法に基づく内閣府令の食品表示基準が改正され、製品パッケージ表示をめぐる様々な規定が法令化。現在販売中の商品も、容器包装表示の見直しを迫られることになる。経過措置が取られ、完全実施は来年9月からになるが、可能な限り早い対応が求められる。

関係閣僚会合「制度の信頼性高めるため」

 そもそも機能性表示食品の容器包装表示の在り方が見直されたのは何故か。紅麹関連製品に係る事案を受けた機能性表示食品制度等に関する今後の対応を取りまとめた関係閣僚会合に言わせれば、機能性表示食品のサプリの製造・品質管理にGMPを義務化したのと目的は同じだ。すなわち、「機能性表示食品制度の信頼性を高めるため」である。

 その手段として、関係閣僚会合は次の対応方針を取りまとめた。

 「機能性表示食品が特定保健用食品(トクホ)と異なり安全性及び機能性について国による評価を受けた食品ではない旨、医薬品とは異なり疾病の治療、予防を目的としたものではない旨、また、摂取の注意事項として、医薬品等との相互作用や過剰摂取防止のための注意喚起を具体的に記載する等、表示の方法や表示位置などの方式を見直す」

 一言でいえば、「消費者誤認の防止」だろう。それを実行するための措置を「食品表示基準において明確化」して「制度の信頼性を高める」とした。

 そうした方針を関係閣僚会合が取りまとめた背景には、制度改正の方向性を定めた有識者検討会(機能性表示食品を巡る検討会)の提言がある。検討会は、機能性表示食品の「情報伝達」の在り方という観点から、安全性に関する容器包装上の義務表示事項の表示方法・方式の見直しを提言していた。以下、検討会の報告書から引用する。

・「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」の表示では、「医薬品ではないこと」を、「 機能性表示食品である旨」と同一面に明記すること。

・「疾病に罹患している場合は、医師等に相談して摂取する旨」の表示では、当該食品の摂取の是非を相談する趣旨を明らかにすること。

・「摂取をする上での注意事項」の表示では、医療関係者への情報伝達の観点からも、医薬品や他の成分との相互作用や過剰摂取を防止するための注意喚起等の安全性上の留意事項を具体的に記載すること。

 検討会はまた、トクホと誤認させない表示方法に改めることも提言。報告書には次のようにある。

・機能性表示食品である旨と届出番号を近接して表示し、識別性を高めること。

・安全性や機能性について、国の評価を受けた食品でないことを端的に表示する方法に改善すること。一方、機能性表示食品は「その他のいわゆる『健康食品』」とは異なり、機能性及び安全性の科学的根拠等の届出情報を消費者庁のウェブサイトにおいて確認できることを明確にすること。

・特定保健用食品のように食品自体に特定の保健の目的があるかのように誤認させる記載等を禁止事項とすること。

完全実施は来年9月、しかし急ぐ必要

 こうした検討会の提言を受けて取りまとめられた関係閣僚会合の対応方針を具現化したのが、機能性表示食品の届出情報の容器包装表示に関する新たなルールだ。昨年8月23日公布の「食品表示基準の一部を改正する内閣府令」(以下、食品表示基準)に規定された。これは食品表示法に基づく法令であるから当然、法的な拘束力を持つ。

 食品表示基準は昨年9月に施行。一方、届出情報の容器包装表示の見直しに関しては、サプリのGMP実質義務化と同様、2年間の経過措置が取られた。パッケージデザインの見直し、包材の切り替えを行う必要のある事業者の実行可能性が考慮された。

 完全実施は来年9月1日となる。ただ、制度を所管する消費者庁は、事業者にこう求めている。

 「紅麹関連製品に係る事案を受け、制度の信頼性を高めることを趣旨としていることを踏まえ、速やかに改正後の規定に基づく対応をお願いします」……

【石川太郎】

(この続きをお読みいただけるのはウェルネスニュースグループ会員のみです。残り約1,700文字。全文は、「会員ページ」の「月刊誌閲覧」内「Wellness Monthly Report」2025年4月号(第82号)特集「改正・機能性表示食品制度の全貌」の10~11頁でお読みいただけます)

関連記事:【改正・機能性表示食品制度の全貌】ガイドライン脱ぎ捨て、法令まとう 強化された法的基盤、届出者の義務規定
    :【求められる対応①サプリGMP義務化】告示に規定されたサプリGMP基準 推奨から義務へ、立入検査も実施

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ