小林製薬が企業広告、全国紙に掲載 「品質と安全を第一に」、「もう一度お客様に期待される企業に」
サプリメントの健康被害問題を起こして広告を全面的に停止していた小林製薬㈱(大阪市中央区)が13日、広告を再開した。全国紙に全面の企業広告を掲載し、「品質と安全を第一に考えた製品づくりに取り組み続けます」と強調した。今後、サプリ以外の商品広告の再開を予定している。
真っ青な青空を背景に抱き、仙台小林製薬の医薬品工場とみられる白い施設をメイン写真にした企業広告ではまず、消費者や取引先などに対して謝罪。そのうえで、「健康被害にあわれたお客様と損害を受けられたお取引様に対する謝罪と補償を何よりも優先し、誠実かつ適切に実行してまいります」とした。
また、健康被害問題を受けて策定した「再発防止策」の3本柱を強調。第1に「品質・安全に関する意識改革と体制強化」、第2に「コーポレート・ガバナンスの抜本的改革」、そして「全員が一丸となって創り直す新小林製薬」を掲げた。
健康被害の補償についても伝えている。「紅麹関連製品 お客様対応センター」のフリーダイヤル番号を記載しつつ、補償の詳細を伝える同社ウェブサイトにリンクするQRコードを載せた。
「『“あったらいいな”をカタチにする』の先にある、より健康で快適な暮らしの実現を目指し、もう一度お客様に期待される企業になるための一歩を踏み出してまいります」。再開した広告の中で、小林製薬はそのように宣言している。健康食品業界全体に打撃を与える大きな問題を起こした同社は今後どう変わっていくのか。動向を注視したい。
【石川太郎】
(冒頭の写真:5月13日付朝日新聞朝刊に掲載された小林製薬の企業広告)