グリコ、老化予防に関する研究を加速 ネムノキが老化細胞を取り除くことを実証し特許を取得
江崎グリコ㈱(大阪市西淀川区、江崎悦朗社長)はこのほど、ネムノキが老化細胞を除去することを実証し、特許を取得したと発表した(7659690号)。保有のライブラリーから、特に食品への適合性がある約6,000 種類の素材を候補として、老化の原因に作用する素材を探し出す研究を実施した。
ネムノキは、日本やイランなどアジアを中心に広く分布するマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。和名は、夜になると葉が合わさって閉じる就眠運動(眠る)から名付けられた。古くから日本や中国では、花と皮のいずれもお茶として利用されている。
ヒト培養細胞の試験系で評価。ネムノキ(花部分)は、正常細胞に対して老化細胞を9.8倍効率よく取り除くことが示された。また、ケルセチン(玉ねぎ等に含まれる機能性成分)と比較して、ネムノキは老化細胞を高い効率で除去する結果が得られた。ネムノキが老化細胞に選択的に働きかけて除去をし、一方で正常細胞は生存し続けることが実証されたという。
これによって同社では、老化の原因となる老化細胞を体内から除去し、健康的に年齢を重ねられるようになることが期待でき、ネムノキによる老化細胞の除去は、老化が進行する前から日常的に取り入れることができる予防的な方法になる可能性があるとしている。
同社では、同技術に関し特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)に基づくPCT国際出願をしており、今後はグローバルでの特許の取得と製品化に向けてヒトでの抗老化の検証などのさらなる研究を進める。今後、食品として取り扱われてきたネムノキで老化細胞を除去する作用の検証を進め、身体機能の低下を予防する老化ケアができる可能性を探る。
(冒頭の写真:同社リリースより)