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GMP審査委員長に袴塚氏が就任 JIHFS、元国立衛生研生薬部長を迎える

 サプリメントGMPの第三者認証を手がける(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS。東京都文京区、池田秀子理事長)のGMP審査委員長に、天然物化学を専門とする薬学博士で、元国立医薬品食品衛生研究所生薬部長の袴塚高志氏(=写真)が正式に就任した。就任は先月1日付。JIHFSが昨夏に申請受付を開始した輸入原材料GMP認証の審査にも携わる。

 袴塚氏は、東京大学薬学部教務職員、東京理科大学薬学部講師、同助教授を歴任。厚生労働省の研究試験機関として医薬品や食品などの品質・安全性・有効性の調査、研究を行う国立医薬品食品衛生研究所の生薬部には2006年、室長として着任し、13年から22年まで部長を務めた。この間、一般用漢方製剤製造販売承認基準の制定など、生薬・漢方薬の標準化と規制に資する業務に取り組むほか、食品衛生法に基づく指定成分等含有食品制度の立ち上げにも関わった。同研究所を22年に定年退官後、今年3月末までの3年間、日本薬科大学薬学部にて教授として教育・研究に従事した。

 また、13年から今年3月まで、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課が主宰する「医薬品の成分本質に関するワーキンググループ」の構成員として食薬区分の審議に携わった。

 同構成員在任中の22年9月、「食薬区分の実際と問題点」と題したコラムを執筆。「一日摂取許容量等を基にした特定の成分の含有量制限など、濃度の考え方を食薬区分制度に取り入れることが出来るかどうかが将来的な課題になる」と指摘する同コラムは、国立医薬基盤・健康・栄養研究所が運営するウェブサイト「『健康食品』の安全性・有効性情報」に現在も掲載されている。

輸入原材料GMP認証、「慎重に進めている」

 袴塚氏は先月28日、ウェルネスデイリーニュースの取材に応じ、原材料の品質を確保することの重要性を指摘。「漢方薬の品質は、生薬(漢方薬の原材料)の品質でほぼ決まる。どんなに製造工程を厳密に管理しても、原料である生薬の品質がバラつけば、一定の品質の漢方薬を作り続けることは出来ない。医薬品の品質は、良い意味でも悪い意味でもダイレクトに生命に関わる可能性がある。医薬品ほど作用は強くないが、同じくヒト(人)が口に入れるものとしてサプリメントも同じことだ」と述べた。消費者の安全を守るためには、まずは原材料の品質を確保する必要があるという。

 一方、昨夏から認定申請を受け付けているものの、いまだ1製品も認定していない輸入原材料GMP認証については、「慎重に進めている。(製造元と輸入販売事業者の間で原材料の)品質を確保するための約束がしっかりと取り交わされていること、その約束が守られているかどうかを(輸入販売事業者の側で)正しくチェックできる体制が構築されていることを我々は第三者として審査しなければならない」としつつ、「原材料はそれぞれ性質が違う。それが天然物なのか、化学物質なのかで審査すべき項目も変わる。天然物にしても、基原植物の種類が異なれば、管理すべきポイントも異なる。全てを同じ型に当てはめるようなことは出来ない」と説明。ただ、「最初の認証を行える日はそう遠くない」との見通しを示した。

 JIHFSは今後、原材料の安全性自主点検認証を新たに開始する予定。消費者庁が所管する通称「3.11通知」の別添1「錠剤、カプセル剤等食品の原材料の安全性に関する自主点検及び製品設計に関する指針(ガイドライン)」に盛り込まれている「錠剤、カプセル剤等食品の原材料の安全性に関する自主点検フローチャート」に則して、原材料の安全性を事業者が適切に点検できているかどうかを第三者として審査、認証するものだ。袴塚氏は、この審査にも携わることになる。

 袴塚氏は、同認証について、「(3.11通知に基づく)原材料の安全性自主点検は、今は事業者が自主的に取り組むことになっている。それにしっかり対応できているのであれば、なにも問題はない。ただ、自主点検を正しく行うためには、安全性を評価するための専門的な知識とさまざまな情報源にアクセスできる体制などが必要である」と指摘。そのため、認証とは別に、「文献の検索や文献情報の質の判定などを事業者が正しく行うための有償サポートにも取り組んでいきたい」と今後の展望を語った。

【石川太郎】

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