食品用器具・容器包装の安全性強化へ 消費者庁がパブリックコメント結果を公表
28日、消費者庁は1月20日~2月20日にかけて実施した「食品、添加物等の規格基準の一部改正案」に関するパブリックコメントの結果を公表した。
今回の改正案は、「器具・容器包装における安全性審査の導入」および「第一種特定化学物質の取扱い関係」を主な内容とするもの。
改正の背景には、2018年に導入されたポジティブリスト制度を踏まえ、食品用器具や容器包装に使用される新規物質について、より厳格な安全性確認手続きを設ける必要性が生じたことがある。これにより、開発企業の知的財産権を保護しつつ、安全な物質のみを使用できる体制を強化することが目的とされている。
賛成意見と反対意見、消費者庁の方針は?
パブリックコメントの公募では、合計22件の意見が寄せられた。そのうち「安全性審査の導入」に関する意見が8件、「第一種特定化学物質の取扱い」に関する意見が14件だった。意見募集とは直接関係しない意見も9件あった。
新規物質の安全性を担保するための審査制度導入を支持する、第一種特定化学物質の食品器具・容器包装への使用禁止は妥当であり消費者保護に資する、などの賛成意見が寄せられたのに対し、安全性審査の具体的な審査基準や手続きの透明性が不明確、第一種特定化学物質の規制が過剰になり過度な負担を企業に課す懸念がある、などの指摘があった。
また、手続きが煩雑化することによる開発スピードの低下や、過去に使用実績のある物質への影響を懸念する意見も見られた。
消費者庁は、寄せられた意見に対して以下の方針を示した。
まず、新規物質の追加については、別表第1を改正する従来型の方法ではなく、個別に安全性審査手続きを設け、内閣総理大臣の公表をもって対応する方針であると説明した。
また、第一種特定化学物質の取扱いについては、対象となる化学物質が食品用器具・容器包装の安全性に与えるリスクを考慮し、使用禁止とする方針を堅持する。現行制度上、これらの物質を使用した製品は確認されていないこともあり、今後のリスク予防の観点から必要な措置であるとした。
パブリックコメントの結果はこちら(e-GOVより)