小林製薬、株主代表訴訟に声明 「訴訟は個人に対するもの。会社の業績へ大きな影響ない」
小林製薬㈱(大阪市中央区、豊田賀一社長)は25日、株主のOasis Japan Strategic Fund Ltd.(以下、オアシス)から、現取締役2人および元取締役5人の計7人に対し、損害賠償を求める株主代表訴訟(令和7年(ワ)第3390号)が大阪地方裁判所に提起されていたことについて、訴訟告知書を24日付で受け取ったと発表した。
同訴訟は、同社の紅麹関連製品に起因する健康被害問題に関連して、取締役らが善管注意義務に違反し、任務懈怠があったと主張するもので、オアシス社は3月3日、小林製薬に対して総額約135億円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に提起している。
被告には現職取締役である小林章浩氏と片江善郎氏に加え、元取締役5人が含まれている。なお、小林製薬側は、「本訴訟は当社取締役個人に対する請求であり、会社の業績への大きな影響はない」としている。
同社は2024年から続く紅麹製品に関連する一連の問題で、子会社である梅丹本舗製品群の販売休止および生産拠点閉鎖(紀の川工場)を決定するなど、経営体制の見直しに迫られてきた。また、3月の定時株主総会では取締役の選任が行われたが、経営責任を問う株主の声が高まっていた。
紅麹サプリによる健康被害問題は、単なる製品回収だけでなく、経営トップ層の責任にまで発展。被告には事件発生当時、社外取締役だった4人も含まれており、本来、「経営監視を強化するため」に置かれなければならない社外取締役のあり方にも一石を投じることになりそうだ。今後、小林製薬が信頼回復に向けてどこまで本気で組織改革を進められるかが注目される。