原材料の安全性チェックリスト公表 JAOHFA、3.11通知の自主点検フローチャートに対応
健康食品業界団体の(一社)健康食品産業協議会(橋本正史会長。以下、JAOHFA)は10日、健康食品関連事業者向けに作成した「原材料に関する安全性のチェックリスト」を公表した。
同チェックリストは、特に錠剤やカプセル剤などサプリメントの品質確保に関する指針を示した通称「3.11通知」に盛り込まれている「原材料の安全性に関する自主点検フローチャート」に対応したもの。JAOHFAに6つある分科会の1つ、健康食品原材料・製品の製造・品質分科会が作成した。
JAOHFAは同チェックリストを活用するメリットについて、「事業者が自ら販売している原材料の安全性に関する情報が揃っていることを一覧で確認できる」ほか、最終製品販売会社や受託加工会者にとっても「製品設計や原材料受け入れに必要な安全性情報が一目でわかる利便性」があるなどとしている。
3.11通知は、厚生労働省が昨年3月11日付で発出した通知。組織移管にともない、同年4月からは消費者庁が所管、運用している。「錠剤、カプセル剤等食品の原材料の安全性に関する自主点検及び製品設計に関する指針」と「錠剤、カプセル剤等食品の製造管理及び品質管理(GMP)に関する指針」の大きく2つの指針(ガイドライン)で構成されており、「原材料の安全性に関する自主点検フローチャート」は、前者の指針に盛り込まれている。
3.11通知は、機能性表示食品など保健機能食品を含む健康食品全般のうち、主に錠剤、カプセル剤などのサプリを対象とする。
機能性表示食品制度との関係も深く、今般の制度改正で、3.11通知の内容は、内閣府告示に引き上げられた。「原材料の安全性に関する自主点検フローチャート」も、「機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の原材料に関する自主点検及び製品設計の基準」として告示化。サプリの区分で届け出ている場合、届出者が年に1回の頻度で実施しなければならない遵守事項等の点検・報告において、機能性関与成分を含む原材料の安全性を点検しているかどうかの評価は同基準に従って行うよう規定された。
JAOHFAは、同チェックリストについて、「健康被害を起こさないための予防策としての(原材料の安全性に関する)自主点検の一助となれば幸い」としている。
【石川太郎】
関連資料:原材料に関する安全性のチェックリスト(JAOHFAのウェブサイトへ)
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