コメの激安販売詐欺が横行している。落ち着くことのないコメ市場の弱みに付け込んで全国に広がっている。
　農林水産省は1日、3月26日～28日にかけて実施した政府備蓄米の買戻し条件付売渡しの入札結果を公表した。入札参加者は4事業者、落札数量7万336トン（落札率100％）、落札価格2万722円／60㎏（税抜き）で、容器包装込みの価格は60㎏当たり2万2,380円（税込み）となる。
　第1回入札との加重平均を取ると、60㎏当たり税込み2万2,737円となる。5㎏1,895円程度だ。
　
　それでは販売価格はどの程度が見込まれるのか？　関係者によれば、精米ロスや流通マージンを考慮した価格は5㎏2,500～3,200円とみている。もっとも、コシヒカリやあきたこまちなどのブランド米となると1割程度値が張る。

　一部報道によれば江藤拓農林水産大臣はきのう、「2回目の入札で落札された備蓄米が店頭に並び始めるのは今月の3週目以降になると思う」と述べたと言うが、通常の流通スパンからするとずいぶんと迅速な措置となる。
　すでに第1回目の入札米の一部が店頭に並んでいるとみられるが、現在、筆者が住む近所のスーパーではまだ5㎏3,000円台のコメは見当たらない。果たして3週間後、適正価格のコメが店頭に並ぶのかどうか、見守りたい。

【田代　宏】

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