1. HOME
  2. 一般食品
  3. 食品表示基準の一部改正、課題征服へ 【解説】どこがどう変わったのか?今後の対策は?

食品表示基準の一部改正、課題征服へ 【解説】どこがどう変わったのか?今後の対策は?

㈱ラベルバンク 代表取締役 川合 裕之

 先月28日に食品表示基準の一部を改正する内閣府令が公布、施行された。極めて複雑なルール改正について、どこがどう変わったのか? 食品表示の専門家㈱ラベルバンク代表取締役の川合裕之氏が、今後の改正スケジュールを踏まえながら、押さえておくべきポイントについて詳しく解説する。

Q&A、食品期限表示設定GLも改正

 2025年3月28日、「食品表示基準の一部を改正する内閣府令」が公布、施行された。また関連する通知(「食品表示基準について」、「食品表示基準Q&Aについて」)および「食品期限表示の設定のためのガイドライン」についても同日に改正が公表されている。今回の改正は、改正事項別に施行日、経過措置、そして今後の改正予定が異なるなどやや複雑であるため、以下に概要を整理する。

食品表示基準改正の概要
(1)栄養強化目的で使用した食品添加物に係る表示免除規定の削除
(2)栄養素等表示基準値等の改正
  <1>栄養素等表示基準値の改正
  <2>食物繊維の許容差の範囲の見直しと0と表示ができる量の規定の追加
  <3>ビタミンB群の測定及び算出の方法の改正
(3) 個別品目ごとの表示ルールの見直し

(1)栄養強化目的で使用した食品添加物に係る表示免除規定の削除

 一般用加工食品の横断的義務表示における添加物の免除規定のうち、栄養強化の目的で使用されるものに関する記述が削除された。改正の対象は、食品表示基準第3条第1項、別表第4 「個別の表示ルール(名称、原材料名、添加物、内容量)」、そして別表第24 「一般用生鮮食品の個別的表示事項」である。
 この改正により、原則全ての加工食品(これまで表示免除とされていたものを含む)に、栄養強化目的で使用した食品添加物の表示が必要となる。主にこれまで表示免除とされていた食品(これまでの別表第4の23品目および別表第4にないその他の食品)において注意が必要な改正といえる。
 栄養強化の目的で使用されたと認められる添加物の範囲は、「食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)別表第1に掲げる添加物のうちビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、既存添加物及び一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるもののうち強化剤用途で使用するもの」を指す。
 なお表示にあたっては、『栄養強化の目的で添加物を使用した食品の表示については、添加物の使用だけではなく、当該栄養成分の量も消費者が自主的かつ合理的に食品を選択するために重要であることから、容器包装に当該栄養成分名を表示しない場合であっても、その量を表示することが望ましい。』(「食品表示基準Q&Aについて」(加工-75-2))とされている。経過措置は2030年3月31日まで。

(2)栄養素等表示基準値等の改正

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を踏まえた基準値に見直し(および食塩相当量の追加)がなされ、これに伴い栄養強調表示の基準値(含む旨、高い旨、強化された旨)も改正された。改正の対象は、<1>栄養素等表示基準値の改正として別表第10 「栄養素等表示基準値」、別表第12 「栄養成分の補給ができる旨の表示の基準値」 、<2>食物繊維の許容差の範囲の見直しと0と表示ができる量の規定の追加、および、<3>ビタミンB群の測定及び算出の方法の改正として別表第9 「栄養成分及び熱量の表示単位、測定法、許容差の範囲及びゼロと表示できる場合の含有量」である・・・(つづきは会員専用記事閲覧ページへ、残り約3,000文字)

<プロフィール>
2003年 株式会社ラベルバンクを設立
国内、海外の食品製造業に対し、原材料・添加物調査および食品表示レビューと、各国基準情報検索システムなどのデータベース構築サービスを提供している
2019年 『新訂版 基礎からわかる食品表示の法律・実務ガイドブック』(共著、第一法規株式会社刊)

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ