1. HOME
  2. その他
  3. 特商法、公益通報者保護法案を審議 消費者委、本会議で特商法改正を答申

特商法、公益通報者保護法案を審議 消費者委、本会議で特商法改正を答申

 消費者委員会(鹿野菜穂子委員長)はきのう26日、第457回消費者委員会本会議を開催し2件の議題について審議した。1件は政府から諮問を受けている特定商取引法(特商法)の一部改正について答申した。もう1件は、今年3月4日に閣議決定した公益通報者保護法の改正案について意見交換を行った。

 特定商取引法施行令の一部改正について、商工中金が行う役務提供が特定商取引法の適用除外とし得るかどうかについて審議した。

 2023年6月16日に「株式会社商工組合中央金庫法」が改正、公布されたことに伴い、商工中金のあり方に関する検討において、規制の水準を銀行並みにすることが望ましいとされた。
 特商法の適用除外の要件には「業務改善命令、約款変更命令、指示、懲戒などに該当する措置が法律上規定されていること。事業者の不当な勧誘や不当な広告などによって消費者被害が発生した際に発動することが可能であり、消費者被害が発生している状況を一定の強制力をもって改善することができると認められる場合」とされている。
 実は現行法でもすでに、商工組合中央金庫(以下「商工中金」)や商工組合中央金庫電子決済等代行業者が行う販売等が適用除外販売等として規定されており、その上で、改正後は金融ADR(裁判外紛争解決)制度を導入することで消費者保護を図る方針が示されていることから、特商法の適用除外について答申に至った。

 委員からは、金融ADRの運用において中立性・公正性の確保や、消費者への適切な情報提供の重要性が指摘された。

 公益通報者保護法の改正案について審議した。改正案では、事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上、公益通報者の範囲拡大、公益通報を阻害する要因への対処、公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済を強化するための措置を講じた。

 具体的には、従業員300人超の事業者における内部通報制度の強化策として、従事者の指定義務の履行を徹底するために勧告に従わない場合の命令権と刑事罰(30万円以下の罰金)を規定(第21条2項)
消費者庁の立入検査権を規定し(第16条1項)、虚偽報告や検査拒否に対する罰則を設け、事業者に内部通報窓口の周知義務を明示(16条第1項)
 公益通報者の範囲をフリーランスなど業務委託関係にある者にも拡大し、不利益な取り扱いを禁止(第2・5条)
 通報を妨げる行為(通報しない旨の合意を求める行為等)や通報者を特定する行為を禁止(第11条)
通報から1年以内の解雇等の不利益取扱いは公益通報を理由としたものと推定する立証責任の転換規定を新設し、違反者には6カ月以下の禁錮または30万円以下の罰金を規定(第21・23条)

 改正法の施行は公布から1年6カ月以内に施行。施行後5年をめどに見直しを検討するとの附則が設けられている。

 各委員からは、「300人以下の中小企業に対する体制整備義務化の可能性」、「資料の持ち出し問題に対する今後の対応」、「2号通報(規制行政機関への通報)や3号通報(報道機関などの外部への通報)における通報者探索の正当性」、「解雇後の救済措置」など、今後の課題を巡る意見が交わされた。

【田代 宏】

(上の画像:本会議における配布資料より)

当日の会議資料はこちら(消費者委員会HPより)

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ