大阪市、紅麹サプリ巡り報告書まとめる 健康被害2,782人、死亡16人、後遺症90人
大阪市は19日、昨年3月に起きた紅麹サプリ事件の発生を受けて取りまとめた報告書「食中毒詳報」を国に提出した。健康被害2,782人、そのうち死者16人、後遺症90人と健康被害が拡大した経緯を踏まえ、原因施設および管理体制に関する今後の改善点について考察を挟んでいる。
報告書では、厚労省主導で進めた紅麹原料などの検査・毒性試験(7日間反復投与試験)、解析、紅麹菌および青カビの共培養試験などによって、主な原因物質を青カビの一種から生成されたプベルル酸と認定。紅麹原料製造におけるHACCPプランの衛生管理計画の作成の際にカビが混入した場合の危害が十分に認識できておらず、危害要因の記載としても存在していなかったことが被害拡大の要因と分析。将来的な対策として初動の対応のあり方を指摘。健康被害情報の行政への報告強化、被害情報に関する調査方法の改善、管理体制の強化などを課題としている。
具体的には、微生物の培養を経て生産される原材料を用いた食品を製造する場合、HACCP(危害要因分析重要管理点)の衛生管理計画に、青カビが混入した場合を危害要因として考慮する。また、CCPとしていた加熱殺菌工程の管理手法の妥当性を定期的に検証し、無菌操作の作業練度や製造時の管理の一定性を確保。カビの発生を確認した場合は清掃などの必要な措置を講じて清潔な状態を確保し、製品への影響の有無を確認することなどを予防策に挙げている。
健康被害状況と傾向などをまとめた「疫学解析結果」では、2024年11月集計時点で、被害者は全体の7割が女性、同じく全体の7割を50~60歳代が占めている。被害者総数2,782人のうち死亡16人、重篤なケースも含めて90人がその後の後遺症に見舞われているとしている。
詳細はこちら(大阪市HPより)