医薬品レベルの品質管理 富士カプセル、厳密な管理基準に基づく品質管理システムを構築
富士カプセル(株)(加藤至康社長)は、日本初のソフトカプセルメーカーとして、医薬品ソフトカプセルで培ってきた高い技術力と品質管理体制に定評がある。健康補助食品GMPのほか、米国cGMP認証も取得。機能性表示食品の届出を進める企業に向けて、医薬品レベルのカプセル技術や崩壊試験なども含めたサポート体制をさらに強化している。
医薬品ソフトカプセル製剤を中心に生産体制を構築し、その高い技術力と品質は「ソフトカプセルの富士カプ」として高い認知度を誇る。製品の品質保証については、製造工程ごとの検査に加えて、熟練したスタッフが最新の機器を駆使して、原料の受入試験、中間製品、最終製品の総合試験・検査を行い、製品の高度な品質を保証している。さらに、製品が最終出荷されるまでには、これらの製品試験・検査に加えて、製造記録から総合的に製品の品質判定を実施。
健康食品分野でも、そのノウハウを生かし、医薬品と同レベルの品質管理を徹底。2005年に(公財)日本健康・栄養食品協会の健康補助食品GMPを取得し、15年12月に米国NSFインターナショナルのcGMP登録を果たした。
また同社は、崩壊遅延防止カプセル『エフキャップ』などを中心とした、技術力に基づいた提案を推進する。天然成分のフィチン酸をカプセル皮膜に添加することで、崩壊性を画期的に改善する同社独自のカプセル。ブルーベリーや魚油、ニンニク、黒酢など、時間の経過によってカプセルの崩壊が遅延しやすくなる素材でも、スムーズに溶解するのが特長。しかも、従来のゼラチン皮膜と同等の外観性状と強度を維持し、ゼラチンカプセルと同等のコストを実現している。米国GRASによって安全性を確認済みのため、海外展開を視野に入れた企業からも引き合いがあるという。
原材料を考慮した製品でハラル認証にも対応
同社では、ゼラチンやカラギーナン(カラギナン)を含まず、成分としてジェランガムやデンプン、可塑剤などを使用したソフトカプセルを開発。ベジタリアンやヴィーガン、宗教上の理由で動物由来の製品が食べられないケースにも対応できる。ジェランガムは、発酵によって得られる天然の多糖類で、ゼリーや飲料、ジャム、ドレッシングなどのさまざまな食品に使用。
内容物として、油脂類や粉末、エキス類を含有させた液体のカプセル化も可能。また、ハラル認証の対応が可能になり、すでに出荷実績もあるという。
イノベーションラボラトリーがフル稼働
同社は2014年3月、本社北山工場敷地内(静岡県富士宮市)に、研究開発棟・イノベーションセンターを開設。同センターは、最先端の研究機器を備えた実験室や、医薬品・健康食品などの製剤化プロセスの最適化をはかるためのソフトカプセル試作ラインを設置するなど、製剤研究の初期段階から評価に至るまでの幅広い検討のための最新鋭の諸設備を備える。
19年7月には、同センター内に高薬理活性対応の医薬研究開発棟・イノベーションラボラトリーを開設した。最先端の研究開発環境、治験薬GMP準拠、厳密なセキュリティー、ケミカルハザード対策をコンセプトに掲げる。
高活性薬物のプレフォーミュレーション研究や、製造開発から治験薬製造まで、高度な封じ込め設備とソフトカプセル技術を基盤として商品開発をサポートする。また、医薬品・健康食品などの製剤化プロセスの最適化を図るためのソフトカプセル試作ラインを設置。製剤研究の初期段階から評価に至るまでの最新鋭の各設備を備えている。
東京営業所を移転、顧客の利便性を重視
同社は23年2月に、東京営業所をJR品川駅直結の複合ビルに移転した。新幹線の品川駅だけでなく、その利便性を生かし、国内外のクライアントに対して広くアピールし、さらなる業績拡大を図る。
COMPANY INFORMATION
所在地:静岡県富士宮市北山4242-1(本社)
TEL:0544-59-0010
URL:http://www.fujicapsule.com
事業内容:医薬品、医薬部外品、健康食品の受託製造