サプリの心象、健康被害問題で悪化 矢野経済が消費者アンケ、「安心感・信頼感が低下」36.8%
市場調査会社の㈱矢野経済研究所(東京都中野区、水越孝社長)が21日発表した、健康食品に関する消費者アンケート調査結果によると、小林製薬「紅麹サプリ」健康被害問題に関する報道を認知している人の36.8%が、サプリメント、健康食品、機能性表示食品に対する心象が悪化したと回答した。「商品の安全性を改めて訴求し、低下した信頼を取り戻すことが喫緊の課題」だと同社は指摘している。
心象に変化ない、2割強に
同社の発表によると、アンケートは昨年10~11月にかけてインターネットで実施。全国の20代以上男女4,942人を対象に行った。まず、事前調査として健康被害問題に関する報道の認知状況を尋ねた。その上で、認知していると回答した4,199人(男性2,166人、女性2,033人)に対し、「健康食品(サプリメント)や機能性表示食品」に対する心象の変化を尋ねた。
その結果、最多は「サプリメント全体に対する安心感や信頼感が低下した」で29.4%。これを性別・年代別に見ると、女性40~50代が35.4%、同60代以上が35.5%になり、全体結果を5ポイント以上、上回った。また、「機能性表示食品に対する安心感や信頼感が低下した」と回答した人は7.4%になり、合わせて36.8%が、機能性表示食品に限らずサプリの信頼感などが低下したと回答した。
ただ、安心感や信頼感に変化はない、と答えた人の割合も、21.5%と少なくなかった。「特定企業、特定製品に関する問題であり、その他のサプリメントに対する安心感や信頼感に変化はない」と回答した人は11.7%、「信頼感のある企業・サプリメントを選択しており、健康被害の報道は気にしていない」は9.8%になった。
他方で、そもそもサプリメントや機能性表示食品に「安心感や信頼感を持っていない」と回答した人が15.9%。また、25.6%が、「そもそもサプリメント機能性表示食品に関心がない」と回答したという。
なお、健康被害問題を巡る報道の認知状況については、調査対象になった4,942人の20.9%が「詳細を知っている」と回答。次いで、「概要を知っている」が48%、「報道は耳にしたが、詳しくは知らない」が16.1%と続き、全体の85%が、程度に差はあるにせよ認知していた。一方で、15.0%が、「報道されたことを知らない」と回答したという。