ロート製薬、メタジェンと共同研究開始 自然由来素材の腸内環境への影響評価を研究
ロート製薬㈱(大阪市生野区、杉本雅史社長)はこのほど、㈱メタジェン(山形県鶴岡市、福田真嗣社長)と「自然由来素材の腸内環境に対する影響評価に関する共同研究を」開始すると発表した。日常的な不調や体質の改善を目的として、自然由来素材である漢方などを使い、個々人の腸内環境に合わせたアプローチの確立に向けた研究を行う。
メタジェンの持つin vitroヒト便培養評価系「MGScreening™」を使い、漢方など10数種類の自然由来素材を一度に評価することで、自然由来素材が腸内環境にどのような影響を与えるのかを網羅的に評価する。「MGScreening™」では、異なる日本人から提供された複数の便検体を使ってin vitro培養を実施することで、個人特有の変動について検証することができる。
さらに、共同研究にあたりメタジェンは、藤田医科大学と連携して将来的な臨床応用の可能性を見据えて科学的な解析を進めることを予定している。
ロート製薬は、2024年に三井物産㈱らと共同で、シンガポールの漢方薬製造販売企業のユーヤンサン(Eu Yan Sang International Ltd./EYS)の株式取得を行った。EYSのアジアにおける強い製品・ブランド力とロート製薬の研究開発・販売力が連携し、ヘルスケア事業における革新的なビジネスの実現を目指す1つの手段として、漢方などの自然由来素材がもたらす腸内環境への影響を評価する研究をメタジェンと実施することになったという。
ロート製薬では、同取り組みによってメタジェンの独自技術であるメタボロゲノミクス®を使い、漢方などの自然由来素材と腸内細菌叢との関わりの詳細を明らかにできれば、医食同源の根源に迫ることができると考えている。また、自然由来素材による腸内細菌叢変動の詳細をカタログ化することで、個々人の腸内環境に合った層別化ヘルスケアや、腸内環境を適切に制御する腸内デザイン®の実現に向けた基盤データの取得が期待されるとしている。