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サプリの存在意義、新認証で寄与 JIHFS、輸入原材料GMP等の普及に注力

 機能性表示食品のサプリメント(小林製薬の紅麹サプリ)の摂取が原因とみられる健康被害が報告され、社会的な問題になった2024年。その年末、健康被害問題を受け、サプリ・健康食品の安全性と品質の確保に関する指針「3.11通知」のうちGMP(適正製造規範)指針が急きょ改正された。藻類を含む微生物関連原材料を用いる健康食品の安全性・品質管理に関わる指針が新たに盛り込まれた。行政は、サプリの安全性と品質の管理に厳しい視線を注ぐ。

2つの新認証、日本のサプリの「弱点」克服へ

 サプリの製造・品質管理を適正に実施するためのサプリGMP第三者認証機関、(一社)日本健康栄養食品協会(JIHFS、池田秀子理事長)。日本のサプリの「ウィークポイント」と分析する原材料の製造・品質管理の強化やレベル向上を図る目的で、昨夏、サプリの輸入原材料GMP認証(GMP-IM)を新たに開始した。

 JIHFSによれば、複数の企業が認証取得に向けた書類などの準備を進めた。ただ、昨年末までに認証取得第1号が登場することはなかった。前例のない認証だけに、確認や調整などに時間がかかっている。しかし今の感触では、遅くとも今年3月末までの年度内には出てきそう。それによって申請件数が増えることも予想される。「輸入原材料GMP認証を得た輸入原材料を使用することのメリットを、業界に広く伝えていけるかどうかが普及の鍵になる」と、JIHFSの関係者は話す。

 健康被害問題を受け、機能性表示食品制度が改正された。製品を直接の対象に、法令(内閣府告示)で規定するGMP基準の遵守が義務化(26年8月末まで経過措置)。その中で、適正な製品標準書の作成をはじめ、国内受け入れ後の分析を必須とするGMP-IM認証は、販売する機能性表示食品に関して全ての責務を負う届出者(製品販売会社)にとって、一定レベルの製造・品質管理がなされた輸入原材料を使用していることの客観的な根拠にできるメリットがあると考えられる。

 また、原材料を工場に受け入れ、製品を製造・加工する事業者にとっても、受け入れ検査の負担を減らすメリットが考えられそうだ。機能性表示食品に使用するか否かにかかわらず、GMPで製造工程が管理されるサプリの品質確保を、より強固なものに出来る利点がある。

 JIHFSは年度末までに、GMP-IMとセットで活用してもらうことを念頭に置いた、3.11通知の別添1、原材料の安全性自主点検指針に基づく「原材料の安全性自主点検認証」を開始する計画。この認証は、事業者が実施した、同指針に基づく原材料の安全性自主点検の結果を、複数の外部専門家を交えたJIHFSの第三者評価委員会で確認、審査したうえで認証するもの。新たな知見が報告されていないか1年毎に審査委員会で確認しつつ、3年毎の更新制とする予定だ。

 GMP-IM認証にも関わっていくことになる第三者評価委員会の体制は昨年のうちに固めた。委員長を務める袴塚高志・日本薬科大学薬学部教授を筆頭に、元国立健康・栄養研究所情報センター長の梅垣敬三氏、元日本漢方生薬製剤協会国際委員長の諸田隆氏(元ツムラCMC開発研究所長)の3識者が評価する。袴塚氏は、厚生労働省「食薬区分ワーキンググループ」の構成員なども務める天然物医薬品に関する専門家(薬学博士)。

 JIHFSは以前から、国内サプリ原材料の製造施設に対するGMP認証を進めている。その上で、原材料の安全性自主点検認証と輸入原材料GMP認証を展開していくことで、安全性が確保されたサプリ原材料の品質保証レベルが高まると、見ている。池田理事長は、「GMPは魔法の杖ではない。原材料の品質が担保されていなければ、製品の品質も担保されない」と話す。

【石川太郎】

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