脱炭素社会の実現に向けて意見募集 「GX2040ビジョン(案)」策定について~経産省
「GX2040ビジョン(案)」の策定について、経済産業省は今月26日までパブリックコメントを募集する。同案は、2023年7月に策定した「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」の改訂版。
政府は、2050年カーボンニュートラル(以下、CN)実現に向け、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進する「GX2040ビジョン(案)」を発表した。同ビジョンは、エネルギー安定供給と経済成長、脱炭素の同時達成を目指す成長戦略である。
世界的な気候変動問題への対応が急務となる中、政府は2035年度までに温室効果ガスを2013年度比で60%、2040年度までに73%削減する目標を掲げている。新技術やビジネスモデルの導入を加速させるため、GX製品のサプライチェーン形成や高排出産業の構造転換を支援する方針だ。
同ビジョンは、単なる脱炭素化にとどまらず、地域経済の活性化や新たな成長産業の育成を目指す計画。今後、企業・自治体・国民全体が連携し、2040年に向けたGX推進を強化したい意向。
同案で示された方向性のポイントは以下のとおり。
・革新技術による新産業創出を目指し、日本の強みであるフルセット型サプライチェーンを高度化し、競争力を向上させるなどのGX産業構造の実現。
・成長志向型カーボンプライシングを導入して需要を喚起。GX製品・サービスの市場競争力を高めるため、環境価値の見える化を進めるなどGX市場を創造する。
・脱炭素電力の供給地域を活用した産業集積を加速。地域活性化を目指した再生可能エネルギーの導入を推進し、GX産業の立地を図る。
・エネルギー消費量やCO2排出量の見える化を簡便化し、脱炭素技術導入のための資金やノウハウ提供を拡充して中小企業を支援する。
・公的資金と民間資金を組み合わせた新たな金融手法を確立。GX推進機構を活用し、官民連携による150兆円規模の投資を実現するためのトランジション・ファイナンスの拡充を図る。
パブリックコメントの募集はこちら(e-GAVより)