新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりまして誠にありがとうございました。謹んでお礼申し上げます。

　2024年は、機能性表示食品の品質管理に関する問題によって、産業界に留まらず社会を揺るがす事態が起きました。今こそ原点に返って、健康食品の安全性について信頼性を醸成することが急務です。機能性表示食品制度の参考とされた米国のダイエタリーサプリメント制度でも、1994年の制度施行の数年後に、販売高の急伸に乗じて、安全性の不確かな製品により死亡例を含む健康被害が発生しました。これに対し、米国ではサプリメントにも製造品質管理基準であるcGMPを義務化するなどの措置が講じられました。このため品質管理が高コストになり、業界内での淘汰も起こりました。しかしそれらを乗り越えて産業は発展し、結果から見ると右肩上がりに販売が伸びました。

　日本でも健康寿命の延伸の一助として、この分野の産業はさらに発展する余地はあると思います。そのために、今後、品質管理の確立と信頼性醸成、根拠となる科学的エビデンスの取り扱いや質の向上に関する真摯な取り組みと市場や利用者への正確な情報提供は一層求められ、大いに期待されています。　

　原料高やそれによる諸物価高騰などに加え、今回の品質管理にかかる行政の新たな規範への対応など、産業界としては課題山積ですが、早期に改善し、社会からの信頼性を一刻も早く回復し、真にこの産業分野を確立すべき時です。当協会は、加盟各社や各団体と緊密に協力して、引き続き関係省庁、アカデミアなどと連携を深め、また、グローバルな観点で、海外関連機関とも協力して、積極的な活動を継続します。

　こうした活動を通じて市場の健全な発展と国民の健康に貢献したいと考えます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げますとともに、今年が皆様に取りまして輝かしい年になりますことをお祈りいたします。