奈良県内のこども食堂で集団食中毒 豚の生姜焼きを提供、病因菌はウエルシュ菌
奈良県内のこども食堂(香芝市下田東)で集団食中毒事故が発生した。奈良県の薬務・衛生課がきのう6日、発表した。
発表によると、12月1日に香芝市内のこども食堂が提供した弁当140食について、子ども7人とこども食堂の従事者8人の計15人(男性2人、女性12人)が、同1日午後6時から下痢などの症状を発症した。現在、全員が快方に向かっており重傷者はいない。
提供された弁当のメニューは、豚の生姜焼き丼とパスタサラダ、みかん。
中和保健所(奈良県橿原市)が調査したところ、有症者に共通する食事は同施設が調製し提供した弁当以外になかった。有症者と調理従事者のふん便からウエルシュ菌が検出され、有症者を診断した医師から食中毒の届出があったことなどから、食中毒の原因が弁当であると断定した。
奈良県は食品衛生法第6条の規定に基づき、同施設に対し今月6日~7日までの営業停止を命じた。尚、同施設は5日から営業を自粛している。
同施設の責任者は、ホームページ上に「食中毒の報告とお詫び」を掲示。
「つらい思いをさせた参加者のみなさんに深くおわび申し上げます」とした上で、「前日準備で豚を炒め、室内に保管していたことで、ウエルシュ菌が発生したものです。いつもはいったん調理したものを冷蔵庫や強めのクーラーのある場所で保管するのですが、12月ということで注意を怠っていました」と述べている。
ウエルシュ菌は今年に入り、関東各地の総合病院や高齢者施設などでも猛威を振るっている。人や動物の腸管内、土壌、下水、食品または塵埃など、自然界に広く分布しており、 熱に強い芽胞を形成することがある。100℃の加熱でも死滅せず、食後6~18時間で発症する。
(冒頭の写真はイメージです。本文とは関係ありません)