国民に広がる睡眠不足の実態・・・ 厚労省、「令和5年国民健康・栄養調査」を読む
睡眠不足の国民が増えている。25日、厚生労働省が公表した「令和5年国民健康・栄養調査」の結果で判明した。
「睡眠で休養が充分とれていますか」との質問に対して2009年以降、全ての年齢層で減少傾向を示している。「充分とれている」、「まあまあとれている」と回答した人が最も多かった12年と比較してみると、9.5ポイントも低下した。
睡眠不足の傾向は、睡眠時間にはっきりと表れている。
09年当時、9時間以上寝ている人が全体の3%だったのに対して今回は2.1%、「8時間以上9時間未満」8.2%に対して6.8%、「7時間以上8時間未満」17.9%に対して17.4%、「6時間以上7時間未満」37.2%に対して35.2%、「5時間以上6時間未満」26.4%に対して33.3%、「5時間未満」7.2%に対して8.5%と、睡眠時間が減少傾向をたどっているのがありありと見て取れる。
栄養・食生活に関する状況を見よう。
20歳以上の野菜摂取量の平均値は256 gだが、過去ピークを示した14年当時と比べると、300.8gに対して男性では262.2gと38.6gも減少。直近10年間で見ても有意に減少している。女性は250.6gと15年以降減少傾向にある。年齢別でみると、男女ともに20 歳代で最も少なく、高齢になるほど多い値を示している。
食塩摂取量の平均値は男性10.7g、女性9.1gと過去10年間で大きな変化は見られない。
身体の状況については、男性20歳以上の肥満者(BMI≧25 kg/m2)の割合は31.5%で、13年~19年の間で有意に増加。その後は大きな増減は見られない。
肥満率は男性31.5%、女性21.1%、やせの割合は男性4.4%、女性12%となっている。
糖尿病が強く疑われる割合は、男性が16.8%で女性は8.9%だった。
平均収縮期血圧は男性131.6 mmHg、女性126.2 mmHg、血清総コレステロール値が240 mg/dl以上の者の割合は男性10.1%、女性23.1%だった。
20歳以上の歩数の平均値は男性6,628歩、女性5,659歩で、直近10年間で男女とも有意に減少した。
運動習慣のある者の割合は、男性36.2%、女性28.6%で、過去10 年間で見ても男女ともに有意な増減はない。年齢別にみると、その割合は、男性では30 歳代、女性では20 歳代が最も低く、それぞれ23.5%、14.5%となっている。
現在習慣的に喫煙している人の割合は15.7%で、男性25.6%、女性6.9%。直近10年間で男女とも有意に減少している。受動喫煙の機会を有する人の割合も08年以降、減少傾向を示している。
その他にも、歯・口腔の健康に関する状況や地域社会とのつながりに関する調査も行っている。
【編集部】