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特商法関連が約7割、前年比3%増 経産省、23年度消費者相談動向公表

 経済産業省は30日、2023年度の消費者相談動向を取りまとめ、公表した。同省消費者相談室に寄せられた消費者相談の総数は7,185件。前年比3.4%の増加を示した。

訪問・通販・電話勧誘販売が前年増

 相談事項で最も多かったのは昨年に続き特定商取引法関係で、全体の66.4%に当たる4,774件を占め、前年よりも5.1%増加した。この増加は、「訪問販売」や「通信販売」、「電話勧誘販売」の件数が増加したことが主な要因となっている。

 訪問販売の相談は前年比124件増の1,538件、通信販売1,230件(10件増)、電話勧誘販売815件(83件増)となっている。一方、連鎖販売取引に関する相談は前年度より13件減少した。

個人からの相談が全体の半数

 相談者の属性別では、本人を含めた個人からの相談が3,684件と全体の51.3%を占めており、前年に比べても44件増えている。
 消費生活センターなどからの相談も昨年から189件増えて、3,501件(構成比48.7%)となった。

 取引類型は、「特定商取引関係」の相談が前年比38件増の1,608件と約4割を占めており、「通信販売」648件(同8件増)、訪問販売431件(同21件増)と続いている。
 相談内容としては、「知らないうちに定期購入になっていた」、「解約手数料が高すぎる」などの解約関係の相談が610件と最も多かった。

 消費生活センターなどからの相談案件も「特定商取引法関係」の相談が3,166件と約9割を占め、そのうち「訪問販売」の相談が最多の1,107件だった。
 相談内容は、「クーリング・オフ関係」1,267件(構成比36.2%)、「解約関係」902件(同25.8%)、 「書面不交付・不備」449件(同12.8%)と続き、これらが全体の7割半を占めている。

相談者の8割超は50歳以上

 年代別では年代が判明している2,847件の相談のうち、50歳代からの相談が全体の26.3%を占める750件、次いで40歳代560件、60歳代508件、70歳代478件と、50代以上が8割を超えた。30歳以下からの相談は全体の2割以下にとどまった。

 特商法関連の相談において、取引類型別に相談内容を見ると、訪問販売に関する相談では「クーリング・オフ関係」が最多の726件(構成比47.2%)、「書面不交付・不備」245件(同15.9%)、「解約関係」175件(同11.4%)と続き、これらで全体の7割以上を占めた。

通販では「解約関係」トップ、「健康食品・皮膚用化粧品等」約3割 

 通信販売に関する相談では、インターネットを利用した通販に関する相談が1,049件と全体の8割を占めた。相談内容では「解約関係」が最多の598件(構成比48.6%)で、「申込みの広告では定期購入と気付かなかった」、「初回の購入からいつでも解約可能になっていたが、特典を利用すると自動的に定期購入に変更されていた」などの理由が全体の31.3%を占めた。
 商品別では、「頭髪・皮膚用化粧品」が183件(構成比14.9%)、「健康食品を含む食料品」182件(同14.8%)と続いた。

 電話勧誘販売では、「クーリング・オフ関係」が最多の406件(構成比49.8%)、「解約関係」126件(同15.5%)、「書面不交付・不備」111件(同13.6%)と続き、これらで約8割を占めた。

 電話勧誘販売を除き、訪問販売や通信販売において「解約関係」の相談の伸びが目立った。電話勧誘では前年比で1件減少したものの、訪販では32件、通販では28件増加している。

【田代 宏】

「消費者相談報告書」はこちら

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