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市保健所、シェ・タニに行政指導~熊本 シール貼り替え以前の問題、食品表示基準違反を認定

 高級洋菓子店㈱シェ・タニ(熊本市東区、谷誠志社長)に対し、熊本市保健所はきのう16日、食品表示法に基づく行政指導を行った。16日午後、市内で記者会見を開いた。

 シェ・タニの期限表示シール改ざん疑惑をめぐっては、違法行為が認定されるかどうかに注目が集まっていたが、結局、期限表示シールの貼り替え以前の問題として決着した。
 保健所の調査によって、同社はそもそも、菓子類『アマンドショコラ キャラメル』(缶入り)など8品目において、理化学試験や微生物試験、官能試験などの賞味期限設定に必要な科学的・合理的根拠に基づいた検査を行っていなかったことが明らかになった。

 不適正表示を行っていたのは、シェ・タニ「流団店」(熊本市南区)、「江津店」(同東区)「健軍店」(同東区)、「熊本鶴屋店」(同中央区)、そして昨年市内銀座通りにオープンした「サロン・ド・テ・シェ・タニ」(同中央区)の5店舗で、少なくとも昨年12月1日~今年9月19日までの間に1,027個の不適正表示商品を販売していた。

 また同社は、製造所の所在地について誤った表示を行っていた。本来、製造所や加工所の所在地は、「最終的に衛生状態を変化させる製造・加工が行われた場所の所在地を表示すること」(食品表示基準Q&A「加工-115」)とされているが、同社は最終包装を行っていた㈱シェ・タニ(熊本市南区)ではなく、㈱シェ・タニ江津本店(熊本市東区)の名称と所在地を表示していた。

 保健所は、これらの行為を食品表示法第4条第1項が定める食品表示基準第3条第1項における規定違反とみなし、同社に対して改善指示を行った。

 指示内容は以下のとおり。

(1)製造・販売しているすべての食品について直ちに表示の点検を行い、不適正な表示の食品については、速やかに、基準に従って適正な表示に是正したうえで販売すること。
(2)販売した本件商品について、基準で定められた遵守事項が遵守されていなかった主たる原因として、消費者に対し正しい表示を行うという意識及び食品表示に関する認識の著しい欠如並びに表示内容の確認とその管理体制に不備があると考えざるを得ないことから、これを含めた原因の究明・分析を徹底すること。
(3)(2)の結果を踏まえ、食品表示に関する責任の所在を明確にし、品質表示のチェック体制の強化、拡充等の再発防止対策を実施するとともに、当該対策によるチェック体制等が有効に機能していることを定期的に検証し、必要な改善を行うこと。これにより、今後、販売する食品について、基準に違反する表示を行わないこと。
(4)全役員及び従業員に対して、食品表示制度についての啓発を行い、その遵守を徹底す
ること。
(5)(1)から(4)までに基づき講じた措置について、令和6 年(2024 年)11 月15 日までに熊本市保健所長宛提出すること。
(以上、発表資料ママ)

 違反事実を初めて知ったという従業員の1人は、「なんてバカなことを。お客さまに対する姿勢が甘く、大変申し訳なく思っている。なぜそんなことをやったのか。第一はお客さま。保健所のご指導に従い、お客さまに安心していただく方向で対応していきたい。そして現場の従業員の働き甲斐も大事・・・」と戸惑いを隠せない様子だった。

【田代 宏】

関連記事:熊本市保健所が高級洋菓子店に立入検査 マスコミが「賞味期限改ざん?」と報道

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